こんにちはペンギン



今回は引き続きSさんのオンラインパーソナルレッスンの様子や変化をお伝えしますねにっこり



その前に基本的な機能解剖学的観点から

説明したいと思います。



専門家向けでもありますので

難しい用語が多く出てきます。


ただ私も勉強中ですので、

足りないところがあるかもしれません凝視



一般の方でも足部周辺のトラブルがあり

興味のある方、

インストラクターやセラピストで

勉強中の方に読んでいただけたら幸いです。






今日は足関節について



クローバー 扁平足や外反母趾、開帳足、内反小趾、ハイアーチなど足のトラブルがある方


クローバー 足の小指の爪が死んでる、極端に爪が小さい


クローバー ハンマートゥなど足の指に力が入って曲がっている状態の方、足指の関節の皮膚が硬く、タコができている方


クローバー 足首が硬い、足首の詰まり感を感じる


クローバー 足の捻挫を繰り返している方


クローバー 足底腱膜炎やアキレス腱炎、シンスプリント、腸脛骨靭帯炎などの痛みがある方


クローバー 魚の目やタコができやすい


クローバー O脚、X脚 下腿外旋症候群


クローバー 膝痛、股関節痛や詰まり感を感じる方



そんな方も関係してくる部分ですので

当てはまる方はぜひ読み進めていただけたら幸いですにっこり




Sさんは前回お伝えした通り、

足部が過剰に回内(外反足)になっており、

内側の縦アーチ、つまり土踏まずが潰れている状態です。



足の骨は26個、両足で52個と

全身の骨の4分の1ほどにもなります。


それほど多くの骨が集まるということは、

緻密な動きやバランスを担っている部位であるということです。




私たち人間の立ったり歩いたりという生活のなかで唯一地面と接地するのが足裏となります。



その土台となる足に

なんらかのトラブルがある場合は、

その歪みや崩れが全身に波及していきます。



その足部の役割をを機能解剖という観点から紐解いていきましょうビックリマーク





足底のアーチ


足底には母趾球・小趾球・かかとを結ぶ

3つのアーチが存在します。



内側の縦アーチ、外側の縦アーチ、

そして横方向のアーチ。



これらのアーチが歩行時や重力に対して

衝撃を吸収してくれる役割を果たします。



足底で大切なのはこのアーチが適度に硬くなったり、潰れたりすることです。 


潰れること自体は悪いことではなく

必要なことですが

Sさんのように極端に足底が柔らかい状態は、

土踏まずのアーチ構造が破綻している、


つまり衝撃の吸収と蹴り出しの出力も生まれず


歩く時間が長くなったりすると

足裏の痛みや疲労感が出やすくなります。




足底腱膜炎や足首の硬さもここが関係しています。(足首については後ほど説明します)




ウィンドラス機構とトラス機構



ウィンドラス機構は母趾が伸展するときに、

(つまり歩行時に地面を蹴り出す)

内側縦アーチ、足底腱膜の巻き上げが起こることで、足底がバネのように働きます。

床反力を地面から身体へ伝えることができ、

推進力を生み出します。




トラス機構とは足が地面に接地する際にアーチが広がり衝撃を吸収する機構のことです。


このようにアーチや足底腱膜による
張力やクッション的な役割で
足部が固くなったり(剛性)
適度にたわみ、柔らかくなる(柔軟性)
その両方の機能が働いていること、
歩行時には柔軟性と剛性の切り替えが大切です。


足底の3つのアーチと足底腱膜(踵から中足骨頭、基節骨底部に付着)がバネのように機能することで蹴り出しの出力を発揮したり、

着地の衝撃吸収をしたりします。





足の内側と外側の役割


手の関節も足の関節も

安定性に優れているパートと

可動性に優れているパートが分かれています。




お箸を持ったり、ペンを持つ手を想像してくださいね。割り箸


小指と薬指はペンやお箸を支えたり、

机などに接することで手を固定したり、

安定させているのがわかります。



一方、親指・人差し指・中指は

ペンやお箸を支えながらも、

それらを細かく操り動かしていますね。




実は

足にも同じことが言えます。



足の小指と薬指(第五趾、四趾)側は

外側足放線と呼ばれ、

アーチの頂点が立方骨となります。


骨の数が少なく、力学的に安定しています。






青くハイライトされているのが立方骨




一方、

親指〜中指(第一趾〜三趾)までは

内側足放線といい、アーチの頂点は舟状骨です。



骨の数が多く、安定しながらも

可動性に優れています。





青いハイライトが

舟状骨

舟状骨と中足骨の間には3つの楔状骨(内側楔状骨・中間楔状骨・外側楔状骨)があり、その分可動性がありそうですね。




扁平足や開帳足は

内側がべちゃっと潰れていることで

内側の本来可動すべき役割を果たせずにいます。


母趾球で床を押すとか母趾球を意識するなど

スポーツやトレーニング、エクササイズの場面ではよく言われるのではないでしょうか?



その意識自体も大切ですが、

そもそも足の構造が破綻しているとなかなか動作の一場面でその力を発揮することは難しかったりもします。



余談ですが、

懸垂やベンチプレスなどバーを持ったりぶら下がったりするときも支持側の意識を小指や薬指にすると安定したり、無駄に疲れません。




横アーチ


案外見落としがちな足底の横アーチ。


外反母趾はこの開帳足が背景にあると言われています。


MP関節(中足骨と趾骨を繋ぐ関節)

手で言うと、グーをした時の甲側にポコポコと浮き上がる骨の辺りが足にも存在しますが、

その部分が開いて横方向のアーチが潰れていることを開帳足といいます。


開いてしまった骨同士を近づけ

アーチを取り戻すために、

足指の運動(タオルギャザーや足指じゃんけんなど)が推奨されますがやみくもに行っても状態を悪化させ、開帳足や外反母趾を助長させてしまう可能性もあり、注意が必要です。



しっかりどこから指を曲げるのかを理解し、

意識しながらエクササイズをします。





内在筋と外在筋


足部にのみ付着する筋肉を内在筋

下腿から足部に付着する筋肉を外在筋

と言います。



いくつかある内在筋の中でも

特に前足部の横アーチを形成する作用のある筋肉


・母趾外転筋

・短母趾屈筋

・母趾内転筋(横頭・斜頭)

・短趾屈筋







外足縦アーチの形成する作用のある筋肉

・短小指屈筋

・小趾外転筋





外在筋では

・長腓骨筋

(腓骨外側3分の2〜外果の後方を通り、第一中足骨、内側楔状骨に付着)


足の底屈、外反





・後脛骨筋

(脛骨後面、下腿骨間膜、腓骨内側面〜舟状骨粗面、楔状骨、第二第三中足骨に付着)


足の底屈、内反





この2つの筋肉は足底でクロスするように

付着し、拮抗する作用で締め上げることで

(あぶみ機能)

後足部の安定性を保ちます。






これらの内在筋と外在筋の連動によって

足部の安定性と可動性の両方を可能にします。



Sさんは回内足で足底腱膜炎、舟状骨粗面の辺りに痛みが出ることもあります。


足底の柔軟性はありますが、

たわみがなく衝撃を吸収することができず

足底腱膜への過剰な伸長ストレスがかかっていると考えられます。


また

もしかしたら後脛骨筋機能不全による痛みなのかもしれません。


内在筋の賦活、外在筋の過緊張を抑制することで

双方のバランスを取ること。

そして、足裏の感覚を取り戻すこと。

歩行時の剛性を取り戻すことが

レッスンでの課題ということになります。




ここまで足の構造や役割をお伝えしましたが


足の骨の構造が破綻してしまっている場合

残念ながらそれらを元に戻すことは

できないと言われています。



ですが、

失った機能を取り戻すためのエクササイズや

癒着し硬くなった組織のリリースやマッサージを行うことで、

足底の感覚を養い運動レベルをあげること、

変形の進行を止めたり、

痛みなどの軽減を促したりすることはできます。




直そうとはせず、

失った機能や感覚をできる限り取り戻す。




私自身、幼い頃から結構な扁平足でして、

プールサイドでの足跡はいつも土踏まずのところまでペッタリと水の跡がありました足



水泳や水球をしていた頃は

あまり気にしていなかった扁平足ですが、


ピラティスや身体の学びをしていく中で

足部の役割がいかに全身へ波及し


影響及ぼすかを知れば知るほど、

足部の緻密な構造や動きの奥深さに驚きます。




歩く時間が長くなるとなぜ足の裏が疲れ、

痛くなるのか。


スクワットやランジなど 

踏ん張るようなトレーニングで、

なぜ効かせたいところに効きづらいのか。



それが解剖学や機能解剖学など学んでいくことで自分の身体に対しての疑問が解決したり、

理解が深まったり、

また小さくても変化を体験したりしています。




立って歩くという人間だからこそ、

地面と身体を結ぶ唯一の足底の感覚や働きにもっと注目してみるべきだなぁと最近はよく思うのです。



土台が崩れたままでの運動や

感覚入力が起こると怪我や痛み、

全身のバランスの崩れに繋がります。


マットピラティスでは

CKCのエクササイズが少ないので


エクササイズを工夫したり、

プロップスの使用、


エクササイズだけに拘らず

セルフマッサージやリリースの方法など

色んな選択肢を試していきながら、

前後の感覚の変化があるのかを

確認していくと良いかと思います。



また

クライアントの動きや癖、

過去の怪我や痛みはもちろん

生活パターンや環境などの

バックグラウンドも合わせてみていくと、

改善ポイントやお悩みに繋がる

色んなヒントがみえてきます。



次回はエクササイズをしていくためのポイントをお伝えできたらと思います。

またお付き合いいただけたら幸いですラブラブ




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