●Mind transfer
ある講演者の講義の中で、Mind transferと言う言葉が出てきた。
精神転送。脳が他人、もしくは人工的に造られた脳と入れ替えられてしまう。
ニセの記憶・感情・感覚も送れると思っている。
私自身よく体験する被害だ。
例えば外出先で理由はわからないけど急にその日着ている服のコーディネートがものすごくおかしいような気がして落ち着かなくなる。
何の脈絡もなく、家族や友人が別人のように横柄な口調で下品な話題をしゃべりだしたかと思うとすぐにもとに戻る。
隣に座っていたドイツの女性被害者Sさんが急に「Mind transfer」とつぶやき、私の手から持っていた資料を取ると「mind transfer」とペンで書いてよこした。
・・・どうしたんだろう?・・・重要ってことかな?
特に理由も聞かずにいると、ほどなくして講義は終わりランチタイムになった。
ランチはチキンやチーズなどのバゲット・サンドが2、3種類、パンプキンスープやトマトスープを貰って各自、自分の席や外のオープン・テーブルで食べる。
ドイツ名物の塩プレッツェルは食べ放題だ。果物も少し置いてある。
私は人ごみから抜け出してのんびりしたかったので、パンとスープを持って会場から少し離れたところにある木陰のベンチに一人で座った。
天気がよく、犬の散歩をしている人などもいてなかなかのどかな雰囲気だった。
しばらくすると、フィンランドのヘルシンキから来た男性被害者が隣に来て座った。
さっき、チラシを渡した時に「何か政治的な発言をしたのか?」と聞いてきた人だ。
「そういう事はしたことがない。だけどターゲットにされた。」と答えた。
「あなたはどんな被害を受けているの?」と聞くと「僕のはたいしたことない・・・全然たいしたことないんだ。」と言う。
私が「被害者に見えないですね。」と言うと「そう見えないように振る舞ってるんだよ。」と答えた。
私は、さまざまな身体被害に加え、脳操作で母国語の日本語でさえちゃんとしゃべれなくされている事を伝えた。
すると彼は「君はそれをコントロールされているって思うんだね?僕は自分がコントロールされてるって認めたくないよ。」と言って笑った。
そうだ、あの質問をしてみよう。
「この犯罪が終わったら何をしたい?」
「・・・終わるって?!」
彼は、驚いた様子でそんなことあるわけないだろうと言わんばかりに呆れた顔をした。
だから「想像してみて。」と言った。
すると少し考えてから「いろんな事を勉強したいよ。それから世界中を旅したい!」と楽しそうに言った。
「君は何をしたい?」
「私は父と母にいつも感謝してること、愛してるってことを伝えたい。」
「・・・普段伝えてないのかい?」
「両親は私の言葉を理解しない・・・。彼らもコントロールされてるから・・・。」
1年半ほど前から私の両親は、私としゃべる時だけ何を話しても無味乾燥とした短い返答しかしなくなった。
心ここにあらずと言う感じでまるでゾンビのようだ。
視線操作もされていてまったくと言っていいほど目も合わない。
離間工作で長い間両親と引き離されていた私にとっては、24時間365日続く重力波の痛撃よりも苦しい被害だ。
彼は言った。
「人は成長するにつれて少しずついろんな事を学んでいき、日常を知る。日常があたりまえになって行くよね。だけど僕ら被害者はそのあたりまえの事ができなくなってしまう。そして・・・」
私はその言葉を聞いている内になぜかとても悲しいような、でも共感してもらえてうれしいような不思議な気持ちになった。
そして感極まって不覚にも子供のようにわーんわーんと声をあげて泣き出してしまったのだ!
驚いた彼がなぐさめてくれるが、興奮状態でなかなか泣き止むことができない。
やっとのことで落ち着きを取り戻してあたりを見回すと、他の被害者が数人「何事?」と言う顔でこっち見ている。
急に恥ずかしくなり、「またあとで。」と言ってひとり会場へ戻った。