化学物質とは、昔から地球上に自然にあったものではなく、科学技術の発展とともに人間が作り出した物質のこと。そして、有害とは、ヒトの健康や動植物に悪いもの。つまり、有害化学物質とは「人間がわざわざ作り出した害のあるもの」です。

しかし、最初から悪いものを作ろうと思ったわけではありません。人間にとって、とても便利なものを作ろうとしてできたものが多いのです。


例えば”フロン”はアメリカで発明されたものですが、オゾン層を壊すことがわかり、先進国においては”フロン”を作ることは禁止されています。

他にも、ペンキを溶かす液や、物をはるせっ着ざいによく使われてる”トルエン”。からだにはとても有害で、少しの量でも長い間吸い続けると、頭がいたくなったりめまいがしたりして、脳に悪い影響をあたえることがわかっています。

”ベンゼン”という物質は薬や爆薬などを作る材料として使われていますが、自動車の排気ガスや、タバコのけむりなどにもふくまれています。

”ダイオキシン”は、化学物質の中でも特におそろしい物質で、「史上最強の毒物」といわれるほどです。ヒトに対して、障害やがんをひきおこすおそれがあるといわれています。

この”ダイオキシン”のほとんどは、私たちが捨てたごみを燃やすときに空気中に出ています。特に、プラスチックのゴミを燃やしたときに多く出ます。ペットボトル、ポリぶくろ、消しゴム、ばんそうこう、おかしのふくろ、発泡スチロール、ラップ・・・私たちの身のまわりには、プラスチックやビニールでできたものがたくさんあります。

これらのゴミが原因となって、空気をよごし、雨となって、土や海をよごしているのです。


”ダイオキシン”でよごれた土で野菜を作ったら、野菜もよごれます。海の中に住んでいる魚も、ダイオキシンの影響を受けます。私たちはダイオキシンでよごれた空気を吸うだけでなく、よごれた野菜や魚も食べてしまうことになるのです。そしてその原因は、自分たちが出したゴミなのです。


私たちは、知らず知らずのうちに多くの有害化学物質を身体に取り込んでいます。排出する機能も限られているため、身体にこれらの有害化学物質を蓄積させ、さまざまな病気を引き起こしているのです。

そして地球を、自分たち人間を、汚染しつづけているのではないでしょうか。


著者: トム マウア, Thomas W. Mower, 伊藤 恵子, 山平 松生
タイトル: トム・マウア氏に聞くニューウエイズ物語―有害化学物質なんてもういらない
著者: 川名 英之, 藤原 寿和, 岸川 浩一郎, 村田 徳治, 中下 裕子, 梶山 正三, 大島 輝男, 高木 仁三郎, 化学物質問題市民研究会
タイトル: “奪われし”未来を取り戻せ―有害化学物質対策‐NGOの提案