刑務所から出所して、まず最初にやりたかったこと。

 

 

 高倉健さん主演の映画「幸福の黄色いハンカチ」。

 

 出所で思いだすのは、この映画です。

 

 健さん演じる元炭鉱夫は、食堂に立ち寄って、ビールを注文。何とも言えない表情で飲み干した後、醬油ラーメンとカツ丼を一気に書き入れていました。その後、別れた奥さんあてにハガキをしたため、投函。

 

 そのハガキには「もし、まだ一人暮らしで俺を待っててくれるなら、、鯉のぼりの竿に黄色いハンカチをぶら下げておいてくれ・・・」旨を書き、それから数日後。逡巡しながらも、夕張の自宅へ向かうと、無数の黄色いハンカチが風にたなびき、数年ぶりの再会を果たすという感動的なシーンでエンディングを迎える・・・

 

 と、だいぶ話がそれました。

 

 

 隔離から解放された初日。

 

 いつもながら早起きし、冷蔵庫の残り食材を計算しながら、朝ごはんを食べ、向かった先は最寄りの京成立石駅。

 

 きょうから、公共交通機関を自由に使える身になったのです。

 

 

 

 

 行先は、寅さんで有名な、かの柴又の対岸・矢切の渡し(千葉県松戸市)。当然ながら、都外に出たのも初めてです。

 

 前から乗りたかった「矢切の渡し」の乗り場まで、37度の猛暑の中、てくてく歩くも、何とこの日は運休日。河川敷のゴルフ場でプレイする人々を羨ましく眺めながら、小説「野菊の墓」の舞台を歩き、駅に戻りました。

 

 

 駅前には、もはや誘っているとしか思えないように、スーパー銭湯がありましたので、即入店。アカ擦り30分、整体60分に悶絶し、温泉ではないものの足を伸ばせる広いお風呂、サウナを堪能し、自由をかみしめました。

 

 再び、対岸の都内に戻り、柴又へ。ウナギが有名なこの地。遅めのランチは、勿論ウナギ!! 日本で食べるウナギは、かくもこんなに美味しいのでしょうか。

 

 

 

 帝釈天にお参りし、参道をぶらぶら。有名な店で、名物の草団子、10数年ぶりのクリームソーダを堪能。 

 

 

 

 

 

院内感染を避け、行くのをためらっていた皮膚科にも行けました。 

 

 せっかくということで、宿泊を1日延長し、ステイ先周辺をのんびり散策。ひとまず、やりたかったことの幾つかを終えることができ、なかなか満足な初日。夜は、冷蔵庫の整理を兼ねて、ひとり焼肉でフィナーレ。その後は、すっかり自宅仕様となった部屋を片付け、スーツケースに戻す作業で忙殺されました。

 

 

 さぁ、明日はチェックアウト。

 

 これだけ長くいると、離れるのも少しばかりセンチになります笑

 

 あれだけ、早く隔離の終了を待ち望んでいたのに、人間の慣れというのは感心すること大ですね。