JR各社や各地の駅弁業者が、駅弁を国の登録無形文化財にしようと
取り組んでいます。鉄道の高速化による移動時間の短縮やコンビニ
の普及から事業者は最盛期の約2割まで減り「存続の危機」(JR関係
者)にあります。今年は駅弁が販売されて140年の節目にあたる。独
自の製法技術や郷土料理の伝承を担ってきた文化的価値に着目し、再
興を図ります。
(この記事は11月9日の【山陽新聞経済面】からの御紹介の記事です)
アナゴの皮目が焼け,じゅわじゅわという音と共にたれの香りが漂い
ます。JR広島駅構内の売店に備えられたガラス張りの調理場。名物の
アナゴの駅弁を製造・販売するのは、1901年創業の「広島駅弁当」(広
島市)です。
登録無形文化財化を発案したのはJR西日本、鉄道文化推進室担当課長の
奥山義文さん。広島駅弁当に出向していた2023年、代表の中島和雄さん
が「全国で均一的においしい商品を提供するコンビニは文明で、地方ご
との特色ある食を提供する駅弁は文化だ」と話すのを聞き、駅弁を掘り
下げて調べようと思い立ちました。
調査は24年度の文化庁事業に採択され、1年かけて報告書にまとめました。
郷土料理は食材が取れなくなると消滅する事例がある中で、駅弁は材料の
産地を変えながらも味や調理法を守って存続してきた歴史を追った。
また作るのに手間がかかる郷土料理は家庭の食卓に上がる機会が減る一方で、
駅弁が地元の食文化に触れる機会になっていることを、消費者へのアンケー
トなどから発見した。中島さんは「郷土料理の伝承との関係については考え
たことがなく、改めて認識できた。鉄道の資産とも言える駅弁を次の世代に
引き継ぎたい」と語ります。
JR駅構内で営業する駅弁事業者などで構成する日本鉄道構内営業中央会によ
ると会員数は1967年ごろ、最も多い約400社あった。日本の人口が1億人を超
え、集団就職などで鉄道利用が増えた頃です。
現在、会員数は82社にまで減った。運行効率化で停車時間が短くなり、ホーム
での立ち売りがなくなったことも要因だ。
最近ではコメなど食材価格の高騰が業績を圧迫する。広島駅弁当では、広島・宮
島名物のしゃもじの形をした容器にカキをふんだんに詰めた「しゃもじかきめし」
が人気だったが・容器とカキも値上がりし24年9月から販売を見合わせている。
文化庁の事業は2年目に入った。全国の代表的な七つの駅弁事業者も活動に加わり、
JR西日本を中心に北海道、東日本、東海、四国、九州も情報発信に協力する。駅構
内の売店で駅弁の歴史や各地の名物などを発信するパネルを掲げるなど駅弁業界を
盛り上げ、鉄道の利用促進にもつなげたい考えです。奥山さんは「駅弁を新しい切り
口にして、現地に行きたくなる仕組みを作るのが鉄道事業者の役割だ」と意気込みを
語っていました。
そんな中ですが、我が家の近くのスーパーさんでも「駅弁まつり」という催事があ
ったりしていますが、以前家内と「駅弁も良いネ」なんて言って購入したのですが、
その日の夕食に弁当を開けたら、ちょうどブラウン管の向こうでも「日村さん」が
同じものを食していて、家内と顔を見合わせた、という経験もありましたヨ。