外泊では、リブレが取れた以外は大きなトラブルもなく普段通りに過ごすことが出来ました。
そうして外泊から戻って2日後の火曜日に、
退院することが決まりました。
入院してから11日が経っていました。
その頃にはインスリンカーボ比や、ランタスの単位も決まりました。
退院後は血糖値の値や、運動することが分かっていれば、保護者の判断でインスリンの量を調節していくことになりました。
私は入院した頃よりもインスリンの量が多いことが少し気になりました。
するとO先生が、
「インスリンの量は多いから悪い、少ないから良い、と言うものではないんです。
その人その人に合った量があります。
同じ年齢でも体格などによってインスリンの量は違います。
息子くんにとって必要な量を打つことが大切なんですよ」
と言いました。
そして、
「今後一旦ハネムーン期に入り、インスリンの量が減ります。
1年程かけて徐々にまたインスリンの量は増えてくると思います」
と言われました。
『息子にとって必要なインスリンの量』
この言葉で肩の力が抜け、その後インスリンの量でネガティブに考えることはなくなりました。
退院後は先生の言う通り、インスリンを打つ量はどんどん減りました。
それは息子の膵臓からまだインスリンの自己分泌がある、と言う証でもありました。
『膵臓ががんばってくれている』
そう思うと膵臓がとても愛おしく思えて、よく眠っている息子のお腹をさすっては、
1日でも長く自己分泌が続くのを祈っていました。
2020年の初詣。
この頃から娘はお参りすると必ず、
「兄の1型糖尿病が治りますように!」
と祈るようになりました。