針への恐怖心は息子の心をジワジワと侵食し、突然自分で針を刺すことが出来なくなりました。
初めてのインスリン注射から数日後、
いつものように見舞いに行きました。
その際看護師さんから、
「朝ごはんのインスリン注射の時、自分で針を刺せなくて。でも私が手を添えたら打てましたよ」
と聞きました。
息子に
「大丈夫?」
と聞くと、
「うん」
とうなずいていました。
お昼ご飯の時も、自分でインスリンペンを持ち打とうとしますが、どうしても刺すことができません。
目に涙をためてうつむいていました。
「お母さん、手を添えるね」
と言って、
インスリンペンを持つ息子の手に自分の手を下から支えるようにして添えて、針が刺さったところで手を離しました。
その後は息子が注入ボタンを押して、針を抜きました。
針を刺すことだけが怖いようでした。
その日から、できるだけ息子の手に手を添えて打つようにしました。
注射自体を嫌がることはなかったので、安心しました。
「手を添えれば打てるんだから、大丈夫だよ!」
私は自分に言い聞かせるように言いました。
しかしこの『針への恐怖心』はしばらく続き、息子は食事の度に針の恐怖と向き合う生活となったのです。
この頃私はカーボカウントと向き合っていました。
O先生がカーボカウントの本を貸してくれました。そこにはO先生の書き込みもあって、「先生も勉強してるんだなぁ」と思いました。
写真の本は私がネットで購入。
息子曰く「見てるとお腹が空いてくる本」…確かに!