東海道五十三次伊勢参りの旅 その3

 

覚悟はしていたものの

やはり梅雨なので雨は降る。

沼津のお母さんのお家に泊めていただいた夜半からシトシト雨は

ザンザカ大雨に変わり、4日目も雨は降り続いていた。

カッパを着て静岡目指して歩かにゃ!っと思っていたら

沼津のお母さんが、わざわざ娘さんに連絡をしてくれてて

今度は娘さんの車で静岡の中心地まで乗せてもらえる事になりました!

 

沼津のお母さんと、娘さんと、3人でワイワイ楽しくお話しして頂き

娘さん「何で送ってんだろ!もー!意味わかんない!」って言いながら大笑いしてらっしゃいました^ ^

母も超素敵なら、娘さんも超素敵!

 

そして一気に静岡に!

静岡駅なら車も拾いやすいんじゃないか、と考えてでした!

 

箱根越えは大変だったけど

超ミラクル菩薩様な沼津のお母さんに助けてもらい、

疲れと、大雨と、距離を、一気に解決し

今夜は宿を取るのでなく、道の駅で泊まろうと計画しました。

箱根峠の道の駅はガンバレば寝袋でいけそうだったからです。

 

そして、いざ、ヒッチハイク!

 

 

 

結果からいうと、大惨敗でした。

 

話しすら成立しそうに無い空気、

 

手をダメダメとふって逃げられる事が続き

 

遂に諦めました。

 

 

駅は誰かを迎えに行く所、送り届ける所。

ちょっと休憩ではないのだ。しかも雨でただでさえ怪しい僕はいっそう怪しくなっていた。

昨日の沼津のお母さんの場合は、レア中のレアケース。

そう簡単にはいかない。

 

道の駅なら、奇跡が起こるかもしれない。。。

泊まれるだろうし。。。

 

Google先生に道を聞き、

最短ルートを選ぶ。

 



これが

 

とんでもないルートだったのだ。

 

大崩の海岸ルートだ。


 

 

「大崩」とゆう土地の名前は

過去に何度も何度も土砂災害を起こして来た名残かもしれない。

実際後で地元の人に聞いたら

元々の道路やなんやかんやも土砂災害で埋まってしまい人もまだ埋まったままで掘り出すこともできないくらいの規模で

しょうがないから海岸線に突き出た迂回道路を作ったいわく付きの場所。

実際の道は腰くらいの柵からは急な崖になっていて結構自動車の転落事故が頻発している場所で、

そう、出る、らしいのだ。

有名な心霊スポットだったらしく夜は地元の人もあまり寄り付かないそうだ。

(天気の良い昼は景色良さそうだけど!)

 

僕がその歩道の無い

激ヤバルートにさしかかったのは

日が暮れた19時ころ。ぽつりぽつり雨が降り

空も海も鉛色。低気圧のせいか海は少し荒れてて心がザワザワした。

しかしあと10キロくらいだ。行くしか無い。

 

海に突き出た車道の脇を砕ける波と雨の中を、歩く。

白黒の荒れた景色に、

もし冥界への入り口があったなら、こんな風景なんだろうってぼんやり思っていたら、海の迂回路の終わりは、オレンジ色の光が不気味に光る

トンネルが、口を開けていた。

緩やかにカーブするトンネルには歩道は無い。内壁から所々水が染み出している。

すでにWi-Fiも途絶え、行くしかない。車道を。

 

流石にブルった。

 

おりゃああああああああああああああああ!!!!!!!!

 

何度か気合を入れて

歩み入った。

 

すぐ近くで波の砕ける音がして、薄暗いトンネルに反響する。

 

時折、思い出したように車が来る。

地の底から響き渡るような音がする。

ドライバーさんも俺を見てめちゃくちゃびっくりするだろうに、ごめんなさいっと

その度に出来るだけ車から身を避けて立ち止まった。

よろけたら即、事故に繋がりそうだったからだ。

 

トンネルが終わると

腰くらいの柵の外は、下まで3-40メートルかな?(体感では絶壁50m!)絶壁の下で黒い海がかすかに白く砕けていた。

下を見ているとふわっと吸い込まれそうになったので

あまり下を見ないようにした。

 

月も見えず星も見えず

波の砕ける音が絶えず聴こえている。

 

するとまた次のトンネルがポッカリ口を開けている。

奥は真っ暗で見えない。

 

おりゃああああああ!!!!

おりゃああああああ!!!!!

 

恥ずかしい話しですが、トンネルの度に大声を出して気合いを入れた。

 

幸いな事に

僕には霊感が無くオバケさんを明確に見たことがない。

この時は

ここがそんなにやばい場所だと知らなかったんですが

直感的にヤバさを感じていて

沢山のナニモノカに見られていたような感覚が常にあって

目の端を黒い何かが通り過ぎて動いたような気がするまで追い詰められていました(実際はただの草や木だったのかもしれません)。

 

もし僕が見える人だったら

卒倒してたのかもしれません。沢山居た気がします。

 

この時、俺っちは昨夜、沼津のお母さんのお家の猫ちゃん(きんめくん)に



あんなに



なついてもらってたんだから、



すげーなんかが守ってくれてるはずだ!

とか根拠のないような事を思って勇気に変えていました。

 

遠くに焼津市の街の灯りを見た時は心の底からほっとしました。

 

最後の長いトンネルは新しいもので40センチくらいの歩道があって

トンネル内も明るくて、少し安心して

アカペラで歌を歌いながら歩きました^ ^

 

焼津に入りWi-Fiも復活するとドキドキLIVEのみんなが心配してくれてました。

めちゃくちゃ安心しました。

みんなが調べてくれて焼津の道の駅は泊まれない可能性があること、

近くにスーパー銭湯があって仮眠も取れる事を

教えてくれました!

 

さて!

明日までに浜松につかなければなりません。

浜松にはかおるん先輩が待っててくれているからです!

かおるん先輩と浜松の鰻を食べないといかんからなのであります!

焼津と浜松は60キロほど。

歩くと14時間くらいはかかってしまいそう!

 

今日は失敗しまくったヒッチハイクを

明日は成功させなくてはならない。

作戦を練ろう!

 

 

その作戦とは?

 

作戦とは!

 

作戦とは!!!

 

 

高速道路のSAに一般道路の裏口から侵入!

ヒッチハイクをする大作戦!!!!

丁度焼津のスーパー銭湯から数キロのところに、日本坂SAがある!


従業員通用口から侵入に成功、早速ヒッチハイク開始!

なかなか悪くない感触の空気を感じつつ

20人目くらいで、

 

「浜松まで、良いっすよ」

 

頂きました!

 

頭文字Dの主人公藤原 拓海のトヨタ カローラ スプリンタートレノ AE86型

に乗るイカした車の設計を生業にするお兄さんに乗せてもらえる事になりました。




頭文字Dお兄さん、焼津でお仕事されている方で、この日たまたま浜松で仕事があり、しかも前日寝不足で1人の運転は眠くなるから大丈夫かな?って思ってらっしゃったんだって!

 

(ここで、昨夜の大崩海岸線の夜の道路怖かったって話をしたら

あそこのヤバさを教えてくれたのです。前述の大崩情報は頭文字Dのお兄さんから聞いた話です。)

 

感謝!頭文字Dのお兄さん、ありがとう!

 

勝った。

勝ったと思いお昼前には浜松に到着!

宿を決め観光でもねぐふふふふって思ってたら、宿が難航!

民宿、1人、なかなか泊まれないんです。

やっと予約できた(ドキドキLIVEで見て応援してくれてた はだくん、に予約してもらった!)民宿は何と浜名湖の反対側!

ふふ、20〜30キロ、今日の俺は最強だぜ、と

歩き出した。

 

浜名湖を渡す弁天島、などで勇壮な浜名湖の潮の流れを見ながら、

最後は、Wi-Fiも途切れる真っ暗な田舎の道沿いを歩き足を引きずりながら夜21時半くらいに宿に到着。

真っ暗な道も、大崩の闇の密度からしたら心に余裕があり

身体はしんどいけど命の危険は感じないぜ!っと

己の成長を確認できた夜でした!

 

宿では、なぜか「女風呂しかやってません、他にもう1組女性のお客様達が泊まっているので、何となく居ないのを見計らって、お風呂、入っちゃってください。」

 

オイオイオイオイオイオイ!

 

って思いながらも、何となく居ないのを見計らって、

お風呂に入りました。

 

やればできんだなぁ。

洗濯もできて、充電もできて、コンビニで買ったバナナと丸大ハムのソーセージを食って

明日の、グローリーDAYを迎えるのである!

 

明日は、浜松在住のかおるん先輩と、鰻デートだ!

そして伊勢に!

 

 

次回最終回!

 太陽の神アマテラス大御神が待つ伊勢!

最後の難関が!?