日蓮正宗では、
「鬼は外」と言いません。

鬼と言っても、
仏様を守ってくれる良い鬼がいます。

鬼子母神
です。

あるところに
鬼の母がいました。

鬼の母は、
100人以上の、
沢山の自分の子供がいました。
毎日自分の子供の数を数えて、
全員間違いなく存在することを確認して、
自分の子供の可愛さに
目を細めていました。

しかし、
自分が、
お腹がすくと、
おいしそうな
他人の子供を見つけては、
片っ端から
食べて、生きていました。

自分の子供を食べられた親は、
泣いて泣いて
探し回りましたが、
見つかりません。
食べられたのですから
見つかるわけありません。

それを横目で見ていましたが、
鬼の母は、
へっちゃらです。
お腹いっぱいで満足して帰っていきました。


そんな毎日を繰り返している
そんなある日、
いつものように、100以上いる我が子の人数を丁寧に数えていると…

いない!
一人足りないのです。

鬼の母は、
気が狂うほど泣き叫び、
必死の思いで野山を駆け巡りました。
何日も何日も我が子を探し続けました。

しかし、とうとう見つかりませんでした。

鬼子母神は、
憔悴しきって、
仏様に助けを求めました。

「私の可愛い子供がいなくなりました。どうすればいいでしょう。」
すると、
仏様は、
「お前は、
他人の子供がいなくなり、
その親が悲しんでいるのを見て何も思わなかったのか?
100人以上もいる沢山の自分の子供が一人いなくなっただけで、それほど嘆き苦しむのに。
お前に子供を食われた親の気持ちがわかったか?」

鬼の母は、
「申し訳ありませんでした」
「もう二度としません」

心から反省し、
苦しんだ鬼の母を見て、
仏様は、鬼の子供を出してあげました。
なんと、
仏様が、
鬼の子供を隠していたのです。

それからは、鬼の親は、
仏様と約束をして、
仏様の弟子として
みんなの子供を守る、
鬼子母神という、
神になりました。

ここで、重要なのは、
仏様を守る存在であること。
鬼子母神という神は、
仏様につかえて、
子供を守護しています。

神様、単独で、子供を守っている訳ではないのです。

会社で言えば、
社長がいて、社員はいます。

社長がいなければ、
当然、社員もいません。

この鬼子母神も仏様がいなければ、
助かることがなかったのです。

仏様の方が、
神様よりも立場が上です。

日蓮正宗の節分で、
鬼は外と言わないのは、
仏様を守護する、
善神、鬼子母神が、
ご本尊様の中にいらっしゃるからです。

諸天善神のご加護を
今日もうけて、素晴らしい一日をお過ごしください!