前回のあらすじ
災難の多い理由は、なんですかの問いに対して、その根拠となる経典は、沢山ある。
その中の、御経を例にあげて、

災難の根拠①金光妙経
 を、詳しく説明されていました。
コロナ、東日本大震災、異常気象、北朝鮮問題流れ星などと、リンクする部分が多かったですね。

それでは、前回の続きから


災難の根拠②大集経

(通訳)      (解説)
大集経には次のように述べている。

正しい仏法が隠没すれば、人々は(なかんずく僧侶)は髭[ひげ]や髪や爪をだらしなく伸ばすようになるであろう。
正しい仏法(南無妙法蓮華経)が、失われて、滅びていくなら、
出家僧など、そのあるべき姿に違背して、ひげ、髪、つめを伸ばすことで、法滅の相とされる。
ひげ、髪、つめへの執着(煩悩)を分別すると、
ひげ=おろか(貪)
 髪=むさぼり(じん)
つめ=いかり(ち)
 をあらわし、貪・じん・ち という、三毒が強盛になることを意味している。



また世間の諸法も効力、秩序を失うであろう。
世間の、社会一般に適用されている諸々の法人も力を失う


そのような時には、空中に大音響が轟いて大地が振動し、地上の一切のものが水車の回るごとく動転するだろう。
落雷や流星による振動と思われます。


城壁は破れ落ち、人家はことごとく破れ崩れ、また樹木の根、枝、葉、華葉[けよう]、菓[このみ]などに含まれる薬味がなくなってしまう。
薬は、樹木の根、枝、葉、華葉[けよう]、菓[このみ]全てのこと。
薬は、植物に頼る以外なかったため、植物なかんずく薬草は、貴重なものであった。
しかし、正しい仏法(南無妙法蓮華経)が失われてしまうならば、樹木の根、枝、葉、華葉[けよう]、菓[このみ]に含まれる薬味もなくなってしまう。薬の力がなくなる。


ただ色界のうち浄居天[じょうごてん]を除いて欲界等、一切の場所の七味・三精気[さんしょうげ]が残らず損減してしまい、その時には、人を悟りに導く諸々の善論も一切失われてしまう。

ただ、
色界=物質だけが存在する天上界の一部
のうち、
浄居天=小乗(自分だけの幸せを求める流派の 
    こと)の三果・四果(修行によって得
    られる悟りの位の段階)の聖者が住
    むところ
 
を除いては、
七味=甘い、辛い、酢い、苦い、しおからい、
   渋い、淡いの七種の味

三精気=地精気(大地の生命力をいい、
       穀物や草木等を繁茂させる力)
   法精気(世間法、国法、仏法のもつ力)
   衆生精気(人間、社会の生命力のこと)
すべて失われて、世間、出世間のすべての善論も失われてしまう。

地に生ずる華菓[けか]も、ごくわずかとなって、その味もまずく、あらゆる井戸や泉や池もことごとく乾いて枯れ、土地は全て荒地となり、地割れがして、でこぼこになってしまう。諸山は皆焼けて雨も降らず、穀物の苗は皆枯死し、生ずるものも皆枯れつきて、他の草も一切生じない。

大風が乾いた土を巻き上げて地に降らし、そのために空は暗闇となって日月の光も見えない。
四方皆ひどい干ばつとなり、諸々の悪い瑞相が現れ、十不善業[じゅうふぜんごう]、なかでも貪・瞋・癡[とん・じん・ち]が倍増して、人々は父母に対しても、しょう鹿[しょうろく]のような恩知らずの行いをするようになる。
十不善業[じゅうふぜんごう]
十種の悪の業因で、身の三悪、口の四悪、意の三悪がある。
身の三悪=殺生(生き物を殺す)、
    偸盗(他人のものを盗む)、
    邪淫(よこしまな淫行)、
口の四悪=妄語(うそをつく)、
    綺語(真実にそむいて巧みに飾り
    たてた語)、
    悪口(悪口を言う)、
    両舌(ニ枚舌をつかう)
意の三悪=どんよく、しんに(怒る)、
    愚痴(ものごとの道理をわきまえない)


そして衆生も寿命も減じ、体力も威光も、楽しみも、損なわれて、人界天界の楽しみを遠く離れて、皆ことごとく悪道に落ちてしまう。
人口が減少し、国家、社会が衰亡の道をたどり、体力も人から尊敬されるような威厳もなくなり、楽しみもなくなり、悪道に落ちてしまう。

このような不善業の悪王と悪僧が、我が正法を破って、天界、人界の道を損減し、諸天善神の梵天・帝釈・四天王などの衆生を憐れむべき善王もこの濁悪の国を捨てて、皆ことごとく、他方へ向かうであろう      
悪王、悪僧が、正しい仏法を破って、
天上界や、人間界の道が衰亡し、
南無妙法蓮華経のお題目をきくことで、法味(ご飯)としてそれを食べて、力を出す諸天善神(良い神様)などの、人々をあわれむ王も、この謗法(正しい仏法にそむいた)国を捨てて、去ってしまうだろう。

以上