2022年1月18日


この日は、

月に一度の家庭訪問だった。


現状はまだ『養育里親』である為、

里子が健全に里親宅で過ごしているかを

確認する為に、児童相談所職員が家庭訪問する。


我が地域のみなのか?……は不明だが、

児童相談所職員と児童養護施設職員が一月毎に

交互に家庭訪問にやって来る。


児童養護施設の職員は、『専門相談員』と言う

職種の様で、養護施設で普通に保育する職員

よりも実績や立場が上の者の様だ。


家庭訪問に来る『児童養護施設』の専門相談員は

2人。1人はルルが育った乳児院から。

もう1人はルルが育った児童養護施設からだ。



ボク:家庭裁判所から審判決定の通知が来ました


相談員:あー!良かったですねー。それはいつ来たの?


ボク:1月12日かな。でも実親さんの控訴猶予

を2週間待ってから、審議確定となるみたいで

もう少し先になるんですけどね。


相談員:じゃあ確定日は1月26日ごろだね。

あー!決まって良かった。ルル君!コレでやっと

落ち着くね。


ボク:それともう一つ報告があります。

ルルはアデノイド肥大でした。


相談員:アデノイドって喉のやつよね?

良く診断出来たね。なかなか見つからないって

聞くけど。


ボク:ボクがアデノイドの有無を診察して!って

言ったので、総合病院まで行って診察して来ました。


相談員:あー、ウチの施設の子供達も、きっと

アデノイドとか扁桃腺とか…あるんだろうと

思うけど、何の症状も無く、病院に連れて

行けないから解らないんだよね。


ボク:やっぱり症状が表に出ないと、病院には

連れて行けないんですね?


相談員:そお。診察費用が掛かる物だからね。

無闇矢鱈には病院に連れては行けないのよ。

ルル君はラッキーだったね。


ボク:アデノイドについての問診票を貰ったん

ですが、アデノイドの症状と『お試し行動』の

症状がそっくりでビックリですよ。


相談員:どんな症状って書いてたの?


ボク:鼻水・鼻詰まり・口呼吸・常に口が開く

それに、反抗的になる・攻撃的・集中力がない

食べるのが極端に遅い とかだったかな?


相談員:ルル君に全部当てはまるじゃん!!!


ボク:そお!全部ビンゴです。


相談員:そうかー。ウチの施設の子供達にも

該当する子はイッパイ居るけど、判断が難しい

よねー。


ボク:でも8歳くらいで縮小するらしいので


相談員:あっ!小さくなるんだ。


ボク:小さくならない時は手術らしいです。


相談員:ところでね。実親さんに、実親家系

の病歴を聞いといた方が良いと思って…

例えば、脳梗塞とか心筋梗塞、糖尿病とか心臓病

とか、B型肝炎とか…。彼が大きくなった時に

何か病気が発覚した時とかに、親族の病歴を

知っていた方が良いと思って。

それを児相に親族へ聞いてもらう様に言ってる

けど、実母のお母さん…ルル君から見たら

お婆ちゃんよね。携帯電話にすら出て

くれないんだって。もう半年も電話してるらしい

けど。


ボク:あー。なるほどね。マイナンバーの行方も

解らないままなんですよ。ウチの子になった後に

マイナンバーの再発行ってしても、じゃあ元の

実親へ役所から連絡が行きそうじゃないですか!

その辺が判らないんですよね。

まー、ネットで名前と市名で検索すると

ボクの住所が出てくるので、知られることは

一向に構わないんですが、連絡が付かないって

のは困りますよね。


相談員:実子になる前に、児相に聞いて

おいた方がいいと思よ。



そんな話を1時間。


途中でルルの希望でトランプを。


そんなこんなで家庭訪問は終了した。


ボク:次の家庭訪問の時には、既に実子じゃない

ですか?なら家庭訪問も無くなるって事になる?


相談員:御迷惑じゃなければ、家庭訪問を続け

て行きたいんだけど…


ボク:え!?


相談員:児相はどう言ってた?


ボク:半年に一度くらい…とは言われてました

なので3ヶ月後位でお願いしたいです。


相談員:3ヶ月後は4月かー。入れ替わりで

忙しいんだよねー。2月でも良い?


ボク:お任せします。


……もぉ来ないで!!

とは言えないボク。

この先ずっと、養護施設の職員が家庭訪問に来る

事は、彼にとってプラスになるのか?


養護施設で育った事を忘れた方が良いのか?


覚えていた方が良いのか?


大きくなるに連れて、自分の生立ちが

知りたくなる。その際に小さい頃を良く知る人物

が定期的に訪問する事は良い事なのか?


今は何が正解なのか判らない。