2020年12月29日


今日は『フォスタリングチェンジ・プログラム』の面談日。

県内の3箇所から講師を行う方々が訪問された。


現状の里子との実情を確認する為、里子が居ては実情を話せない事もある…という事で、ルルは児童養護施設に朝から預けた。


フォスタリングチェンジ・プログラムは、イギリスの病院で発祥した物だそうで、イギリスには日本の様に『児童養護施設』と言うものが無く、里子は直ぐに里親の元に引き取られ、共に生活していくと言う事だった。その為、色々な問題を抱えていく、里子との関係性向上の為に、色々なプログラムが考え出され、マニュアル化していったものが、フォスタリングチェンジ・プログラムと言うものらしい。

来訪された3名のうち、2名は実際に英国フォスタリング協会から同時通訳で5日間の研修を受け、講師としての認定を取得した方々であった。

今回で3回目だそうだが、受講した方からは、『子供との関係性が著しく向上した』と言われているそうで、正に今!ボクが受けなければいけない物だと感じている。

申請書と共に、アンケート(里子の性質や長所・短所、里親との関係性や、実情などを細かく記載するもの)を記入した。

このアンケート用紙がなかなかの量で、記入するのに相当な時間を要した。アンケートは、児相に見せる物ではなく、日本で、フォスタリングチェンジ・プログラムの研究をしている大学機関へ送り、統計を取り、学会等で発表する資料として使われると聞いた。
またこのアンケートは、受講する前・受講中・受講後に、同様の様式で実施し、その変化も確認するという事だった。


来訪者の3名は、県内の児童養護施設の職員であった。養護施設の職員をしながら、講師を務める方々だが、養護施設の仕事の一環ではなく、あくまでも個人としての活動らしい。
と言う事は、所謂『副業』なのか?


ボク達は、この講師でもあり、養護施設のベテランでもある彼らに、今のルルの暴れ具合について、態度や様子・実際の動画を見せて、今の『暴力的行為』は、『お試し行動』なのか『癇癪』なのかを率直に聞いてみた。


ボク:動画はこんな感じで、10分単位で様子が徐々に変わって行くんです。コレは癇癪なのか、それとも『お試し行動』なのか?その辺が分からないのですが、どお思われますか?

講師:動画を見てると、チラチラと里親さんを見たり、暴力を振るう時も、少し笑ってたりしてますよね。コレは癇癪ではなく、『お試し行動』だと思います。分かっていて、ワザとやっている訳ではなく、本能でしている行動なので、辞めろ!と言っても増長するだけ。
なので対応としては、様子を見ておいて、危険な行動…例えばガラスを破りそうとか、テレビを倒しそうとか、物を壊しそう…と言う以外は、遠目で見ておく事が良いと思います。
そのうち疲れて来たりして、暴力的行為が緩んだ時を見計らって、一声掛けてあげる!と良いかも知れません。
『えらいねー!自分で気持ちを抑えられたねー』みたいな感じで褒める!何でも褒める!どんな小さな事でも褒めて褒めて褒めまくる!!

すると子供は、褒められる事に快感を憶えていくんです。
まずは暴力的になったら様子見して、少し収まったら、褒める!
をしてみたらどうでしょう?

実は今回の研修でも講義でするので、もし良い方向に結果が出たら教えてください!
資料としても使えそう(笑)


さすがプロ!!
この講師達は普通の養護施設職員とはチョット違う!!
研修も期待が持てそうだと感じたのであった。


また『癇癪』は、特定の誰かにする物ではなく、誰にでも、どこででも行うものであるから、ボクの前では『癇癪』して、妻の前ではしない…なんて事はない。
明らかに『お試し』して、里親さんの対応を見ている。こんな暴れても、ボクの事を嫌いにならない?と言う事を確認しているんです。


ボク:大人になって、暴力的にならないのか不安なんです。夢でルルが包丁を持って、寝ているボクのお腹を刺した…という夢を見たんです。

講師:相当、ネガティブ思考になってますね(笑)。講義もポジティブ思考にしていく事を目的としているので、『お試し行動』を楽しみながら接していく事が重要なんです。


こんな話とアンケート記入に3時間。

とても良い時間を過ごさせて貰った。

フォスタリングチェンジ・プログラム

受講するのが楽しみになった。


ルルを養護施設に迎えに行くと、

『おそーーーい!もっと早く来て欲しかった』

と言われた。

養護施設で過ごす時間より、ボクの家で過ごす時間の方が心地良くなって来たのだろうか?