2020年11月10日


大人なげなく自分の感情が爆発してしまった…


ルルが突然、

ルル:ボクは園で暮らしたいのに… 
どうしてこの家に連れて来たの?

ボク:ウチより園の方が良いって事?

ルル:うん。園が良い。


ボクは悲しくなった…

--------------------------------------------------------

朝10時に眼科に連れて行くため、
児童養護施設の看護師さんと、病院前で待合わせをしていた。

ルルは今日は(も?)、お寝坊さんで、起こしてもなかなか起きようとしない。

待ち合わせは10時だから、9時半に家を出れば余裕だ。なら、8時に起きれば良いな。
ルルは朝ご飯を食べるのが遅いけど、1時間もあれば食べれるだろう。

と思ったのがアサハカだった。

少なめゴハンに、少なめお味噌汁。
大好物のピーマン炒めに、
超少なめの、トウモロコシのバター炒めに、切り干し大根の煮物…

ボクが食べると3分で食べれそうな朝食が、
ルルは恐ろしい事に⁉️
1時間半近く掛かってしまう。

こんなに食べるのが遅くて、幼稚園とか大丈夫なのだろうか?

と、心配になってしまう。


朝食を食べ終わり、休む間もなく、歯磨きをさせ、早く家を出ないと間に合わん‼️
と、思いきやトイレ🚽

コレがまたまた長く、

ボク:まだーーーー?
ルル:まぁーーだぁーー

と言う会話を3分置きにして、やっと出所。


トイレに入ると、
まーなんて立派なウ○チ‼️
(デカすぎて流れんかったんかぃ!)


そしてギリギリ、待ち合わせにセーフすると、
児童養護施設の看護師さん付き添いで、眼科の検診を受けたのであった。


病名は『アレルギー性結膜炎』

ボク:それは今、眼を検診して、アレルギー反応が出ているって事なんですか?

眼科医:ちょっと出てるみたいですね。以前にアレルギー検査もして、ハウスダストとかダニとかが出てるみたいなので、アレルギーに弱い体質なんでしょう。目薬を出しときますから、様子見して下さい。

ボク:(やっぱり薬出すだけかぃ)


何だか偉そうな、上から目線な医者であった。
着ている病院着は、『アンパンマン柄』で子供が好きそうな服を着ていたが、発する言葉には傲慢で見下されている様な感じがして、

2度と行かない‼️
と診察を聞きながら、ボクは感じていた。


診察室を出て、施設の看護師さんに率直な意見を聞いてみた。

ボク:今の『アレルギー性結膜炎』って

看護師:とりあえず何か病名を付けなくてはいけないので、いわゆる困った時の『アレルギー性結膜炎』です。

ボク:それっていわゆる…何でもかんでも『心不全』ってヤツですか?

看護師:(ニヤっと笑い)それです。


病院と言うのは、親切な病院、適当な病院、適当だけど患者さんが多い病院とある。児童養護施設は子供の症状や心理的な要因も複雑なので、病院選びも慎重なのだそうで、親切丁寧な病院を、アンテナを拡げて行く様にしているのだとか。

ボク:この眼科は、御眼鏡に叶いました?

看護師:患者さんが多いし、院長の実績も確かなので、良い病院なのだと思いますが、ワタシは苦手なタイプでした。

ボク:あー、やっぱり!ボクも同意見


言いたい放題である。


診察が終わり、家に帰ると11時半。

12時が昼御飯‼️
急いで作らねばっと、炒飯とお吸い物をチャチャっと作り、何とか12時に昼食。


ルル:大きい公園でキャッチボールしよう❗️
(キャッチボールという言葉の意味は理解してない) 


とにかくルルは、ご飯を食べるのが遅い。
余裕を見ても、量が多かろうが少なかろうが
1時間は見ていなくてはいけない。

案の定、昼御飯も1時間半掛かった。

おにぎりとかの方が良いのかも知れない…


昼食が終わり、15分休憩後、近くの大きい公園に行った。

軟式テニスボールで、キャッチボール。

ちなみに『ボール=球』
という認識が無いので、分かりやすい表現と、言葉選びがとても神経を使う。

そして何より一つの事を続けると言う持続性が、ルルにはない。

キャッチボールをしていると、10分で滑り台をする❗️と、急に思い立ち、滑り台をする。

鬼ごっこをしよう❗️っと急に思い立ち、鬼ごっこをする。

じゃあ次は隠れんぼ。


なかなかな振り回されようである。


しかし…
48歳の御老体には中々ハードであった。

特に『鬼ごっこ』は、足腰に響く。

途中から腰が痛くなり、
もー走れん‼️


小一時間位、公園で遊び、帰路に着いた。



ボクは帰り着くと、今度は夕飯の支度に取り掛かった。今夜はカレーライス。

普段はスパイスカレーしか作らないのだが、今日は、子供カレーという事で、市販のルーで作るカレーを作ってみた。


作りながらでもルルは口撃の手を緩めない。


ルル:ミニカーの駐車場、このダンボールを使って、こんな風にこんな風に、2階建てにしたら良いねー。

ボク:そうだね。好きにして良いよ

ルル:あ、でも猫の家にしようかなー。

ボク:え?それはちょっと無理なんじゃ無い?高さが低すぎるよ。それは別の機会にしたら?

その時、フッと閃いた❗️
2日後が妻の誕生日だったので、ルルに何か作って貰おうと考えたのだ。

ボク:○○ちゃん(妻の名前)が、2日後に誕生日なんだよ。ルル君、何かプレゼント作ったらスゴク喜ぶと思うよ。

ルル:えー⁉️何作るの❓

ボク:絵とか、お手紙とか、よく書いてくれるじゃん❗️そんなの書いてよ。

ルル:えー‼️

ボク:ちょうど画用紙もあるし、色鉛筆もあるし、折紙もあるし、何でもあるよ。

ルル:じゃあ○○ちゃんの絵を描いて、横に手紙を書けば良いよね。

ボク:バッチリ👍


そして持続性の無いルルは、絵を描くと、今度は折紙をし始める。

ボク:折紙で、ヒマワリ🌻を折ってよ。ルルすごい得意じゃん❗️
それを絵の横に貼り付けたら可愛いよね❗️

ルル:ヒマワリは難しいんだよー。 
もー忘れちゃった。
段ボールの切れ端2枚じゃあ、猫のお家が作れないけど、他の段ボール切ってよ。

ボク:そんな。ボクのお願いを聞いてくれないのに、ルルのお願い事ばっかり聞くことはできないよ❗️

と、ちょっと大人げ無く、強い口調で、突き放す様に言ってみた。



暫く2人とも無言になった。



ルルは独り言でブツブツ言うのが聞こえる。

『本当に難しいんだよ』
と言っている様であった。


カレー作りに集中し、フッとルルを見ると、何やら折紙を折っていた。

『ひまわり』だった。

本当に忘れてしまったのか❓
何度も何度も折っては広げて、折っては広げて、
折紙がグチャグチャになりながらも、『ひまわり』を折っていた。

そして暫くすると

ルル:出来たよ。でもちょっとボロボロになったから、もう一度キレイな紙で折るね。

すると次に作る『ヒマワリ』は、するすると折り、早々に完成した。

ルル:これにドラえもんのシールを貼るので終わりでいい?

ボク:えー❗️もう一つ『ヒマワリ』折って、糊で、画用紙に貼った方が、可愛いんじゃない?
 
ルル:えー‼️代わりに折ってー❗️

ボク:折り方を本当に知らないんだって

ルル:ボクが教えるから。

ボク:ボクが折るんじゃなくて、ルルが折ってプレゼントを完成させな方が喜ぶって❗️

ルル:ヤダー。折ってー

この『折ってー』がこの後、数分続く…

ルル:○○ちゃん(妻の名前)は、何時頃帰ってくるの?
ボク:1時間後位かな?
ルル:それって長い?
(まだ時間の単位は分からない)
ボク:夕飯を食べ終わる頃に帰ってくるかな?
ルル:○○ちゃんは1人で帰ってくるの?
ボク:そうだよ。
ルル:寂しくないのかな?
ボク:最初はボクも同じ会社に居たから、2人で一緒に帰って来てたんだけど、ボクは自分のしたい事をしたくて、会社を辞めちゃったから、今は1人で通勤してるんだ
ルル:えー!なんで、辞めたの?
ボク:ルルと一緒に暮らしたかったからー。
(と言うのは実際違うのだが、何となく言ってみた)
ルル:ボクは園の方が良い。
ボク:え?ウチより園で暮らしたいって事?
ルル:うん!

急に悲しくなってしまった

ボク:じゃあ明日、園に帰る?
園に帰ったら、ウチには戻れないけど、それでも良いの?
ルル:いいよ。

ボクは心底悲しくなり、涙が出そうになる。

老体に鞭打ち、公園でかけっこしたり、キャッチボールしたり、楽しい時間を過ごしている筈なのに、やっぱり施設の先生達には遠く及ばないんだ。

と、長い年月連れ添った先生方に敵うはずはないのに、つい感情的になってしまった。

ルル:ねー、ヒマワリ折ってー

コチラの気持ちはソッチのけで口撃が続く


そして…


『ワーーーーッ』

ボクは大声で叫んだ

壁を思いっきり蹴り、ドアも思いっきり蹴った
ルルが作っていた『ミニカーの駐車場』も蹴っ飛ばした。


大人気ない行動だった。
でも、自分の感情が抑えられなかった。


ボク:折紙は折らなくて良い!プレゼントも作らなくて良い、明日、園に帰ろう!帰りたいんでしょ?
ルル:うん。(と折紙を折ろうとする)
ボク:折らなくて良いって、ヒマワリ作りたくないんでしょ?
ルル:途中だから直ぐ作るよ

あれだけごねていた『ヒマワリ』を2分掛からずに完成させてしまう。

やっぱり出来るんじゃん。

ルル:これ画用紙に貼る?
ボク:もー良いよ。作らなくて、先にお風呂入って、それから夕御飯にしよう。

ボクは感情の高まりを抑えつつ、でも何処か切なさを感じながら、話してしまった。言葉には感情が無かったかもしれない。

その後、お風呂に入り、夕御飯を食べ終わる頃、
妻が帰宅して来た。

妻にはLINEで事前にメッセージを書いていた。

妻:2人で仲良くしてますか?7時過ぎには帰るよ
ボク:ゴメン。ボク爆発しちゃった。ルル明日帰るって、今から険悪な状態でお風呂に入ります

と言うメッセージを送っていたので、
全てを察知した上で、妻は帰ると、ルルとお話をしたのだった。

実は妻はこの前日に、『里親会』が主催した、ある講習を受けていた。
『子供の感情』についての講義だったそうだ。

『子供の感情』を押さえつけてはいけない。

怒りたい時には怒らせる
泣きたい時にはいっぱい泣かせる
痛い時には痛いと言わせる
楽しい時には楽しいと言わせる

まだ小さい子供だから、脳の発達が出来ていない

この小さい時に、痛いのに

『痛くない痛くない!ほーら治った!強い子だねー』
と、よく見る風景だが、
こういう子供が大人になると、感情が爆発するそうだ。

ん?ボクのこと?

妻はルルを抱っこして、ゆっくり背中を摩り、

『泣いて良いよ。我慢しなくて良いよ。急に叫んで怖かったよね。ビックリしたよね。』

ゆっくり語りかける様に、ルルに話した。
ルルは泣きそうになるが、グッと涙を堪えていた


ボク自身。

まだたった4日目ではあったが、このまま何年も続けられるのか?不安だった。

100%主夫業ではない。

時折、製造業での客先から電話も来る。
物を送付したから、修正して欲しいという依頼。

週末は飲食業を行うので、買い出しや、仕込みもしなくてはいけない。

いつ買い出しするか?何を買うか?
買い出しする時もルルを連れて行かないと。

いつ仕込みをするか?
仕込みする時もルルを連れて行く?

家に1人と3匹の猫で、御留守番させる訳にも行かず、また長男猫は暴力的でもある。

ルル:ボクが御留守番して、長男猫に噛まれたらどうするの?
ボク:何もしなければ噛まないよ。
ルル:今までで2回、猫パンチされたよ。
ボク:でも噛まれてはないでしょ?

この日、急に電器店に行く必要があり、10分ほど『御留守番』をして貰った。家に帰るとルルは、ボクが帰った事に気づいていない様で、
リビングのソファに横になり、何かを叫んでいた

何をしているのか?そっと覗いてみた

ルル:○○ちゃーーーーん!(ボクの名前)
○○ちゃーーーーん!!
○○ちゃーーーーん!!!
○○ちゃーーーーん!!!!
○○ちゃーーーーん!!!!!
○○ちゃーーーーん!!!!!!
○○ちゃーーーーん!!!!!!!
(結構な大声で叫んでいる)

ボクは返答しなかった

ルル:そして誰も居なくなった
(言った後に横に向き背もたれに顔を埋める。
泣いていたのだろうか?)


え?と思った。
『そして誰も居なくなった』
映画のセリフみたいだ。

ルルの中に、閉じ込められた感情がある気がした
普段は『良い子』を演じ、
『本当の顔』は奥底に閉じ込めてる印象を受けた


ルルに今のはなに?
と聞いた。

えー?分かんない
と答えた。

見られた

と言う感じだった。

見られてはいけない自分を見られた…

そんな印象を受けた。


養護施設に連絡をし、明日は昼御飯を『お弁当』として作り、園で食べさせ、夕方5時に迎えに行くと連絡をした。

最終的に、ルルから園に帰りたいのではなく、遊びに行きたい!という申し出があったのだ。


でもボクは


ルルと少し距離を取りたかった。



本当に親としてやって行けるのか?