前回のエントリーでは、EFSFのECBを活用したレバレッジ手法を説明した。
しかし、これはECBのトリシェ総裁が猛反対していることもあり実現は難しいと見られている。

そこでEFSFを保険として使おうという案が浮上している。
これもまだ検討段階であり実現されるかどうかは不透明だが、現状では最も現実味がある手法だろう。

では、EFSFを保険として使うということはどういうことなのか。

モノラインという言葉を聞いたことがあるだろうか。
リーマンショックの時にニュースに度々登場したので、一度くらいは耳にしたことがある人も多いだろう。

モノラインとは、金融保証を専門に取り扱う保険会社のことを言う。
その保証内容は、債券の将来キャッシュフローを保証するというものである。
つまり、10年の債券があったとして5年目で債務不履行が起こった場合、その後の利払いと元金を保証するというものである。

しかし、EFSFの保証する内容は、利払い部分がメインであり元金部分の保証は一部に限定されるようだ(※決定事項ではない)。

EFSFの基金をこのような保証に使えば、民間からの投資を誘引でき、EFSFの融資能力以上の投資を引き出すことができ、実質的にレバレッジが利いた状態になる。


この手法が好まれる理由は、この手法ではEFSFの基金は主に利払いの保障のみを行うので、EFSF自体つまりソブリンの信用力の悪化を防ぐことができるという点である。

しかし、逆にそれがこの手法の懸念点でもある。
つまり、主なクレジットリスクの所在は結局は民間負担になるので、果たして民間からの投資を誘引できるのかはかなり不透明である。

その他、保障スキームは一見簡潔そうに見えるが、将来キャッシュフローの算出方法によってキャッシュフローの現在価値が変わってくるので、その辺りの細部のスキームを決定するのに時間がかかる可能性もある。
これまでのEUの決定の遅さであったり二転三転しやすい傾向を考えると、マーケットの混乱要因にもなり得る。


EFSFのモノライン型レバレッジは上手くいけばたしかに魅力的なスキームだが、成功するかどうかは未知数である。



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