最近の米の経済指標は良いものがでてきている。予想比フェイバーなものが多い。
ただし、住宅関連の指標だけは完全の兆しが見えない。

米経済の癌は住宅市場である。

米の失業率は高位で推移しているが、州ごとの失業率に大きな差があることは周知の事実である。
この理由は、なんといっても住宅市場の停滞にある。
つまり、以前なら職を失っても、職のあるところに引っ越して新たな職につけば良いのだが、
今は住宅市場が崩壊してしまっために、持ち家を持ってしまっている人は、
住宅によってその地に足かせをつけられている状態になっている。
もはや、以前のように職を求めて引っ越すことができないのだ。

米の金融政策の真意はこの住宅市場をターゲットにしているように思える。
住宅市場は崩壊しているが故に住宅価格は下落基調にある。
米は歴史的な金融緩和を行うことで、金利を低位に抑え、住宅ローンを借りやすくしている。
住宅価格が下がり、住宅ローンを低利で組めれば、次第に住宅市場は改善に向かうと考えられる。

米GDPの6割が個人消費で占められ、個人商品の大半が住宅関連の米では、
この方法が最も王道に近いことは、私も同意である。

そう考えると、米にとって金利上昇はなんとしても抑えなければいけない。
ただし、ドル崩壊のリスクがあるため今後さらなる金融緩和を実施するのは相当なコストがかかることを考えなければいけない。
また、昨日のエントリーのように来年からのFOMCの投票権を考えると、さらなる金融緩和は難しいと考えられる。

足元の住宅以外のファンダメンタルズが改善する中、金利はやや上昇してきたが、
今は既に上限を意識しなければいけない水準に達していると思われる。

住宅市場の回復は相応に時間がかかると思われる。
そうなると、米の金融緩和はまだまだ続くのではないか。
来年の相場を占う上で、これらのことは認識しておく必要があろう。