私は普段から万年筆を持ち歩いている。万年筆は、お気に入りの1本を持っていて、メーカーはプラチナである。万年筆は手の癖を覚えてくれるので、新品であれば紙を引っかくような書き味であったとしても、だんだんとなめらかな書き味になってくる。この万年筆のインクにはブルーブラックを使っており、筆圧によって筆のような書き味を出せる万年筆によって、ボールペンにはない美しい書き味を楽しんでいる。


だいぶ前の話になるが、モンブランの万年筆にペリカンのインクを使っていることをデパートの万年筆担当者の人にお話しをしたら、その担当者の人から叱られたことがあった。インクのメーカーによって、インクの色の粒の大きさが違うので、違うメーカーのインクを使うと詰まりの原因にもなってしまうとのことだった。最近では、そういった詰まりがだいぶ改善されているらしいので、各社のインクの粒子が細かくなり、進化してきているのだろう。古き良きものにも、科学的な進化があるのだと実感した。


余談ではあるが、インクはメーカーによって成分が異なるので、他社のインクを使いたい場合には、ペン先を十分な時間水に浸してしっかりとインクを抜く必要がある。他社のインクが混ざると、化学変化を起こしてインクが固まることがあるためである。


さて、日本の万年筆のメーカーには、大きなところでプラチナの他にもパイロット、セーラーがある。小さなメーカーもたくさんあるので把握はしていない。ペン先を作るにしても、極小のペン先にも何工程もの作業があるため、細かい作業が得意な日本人の職人技が光る。ペン先の素材には14金やステンレスが用いられることが多いが、最近では加工の難しいチタンのペン先をみごとに作り上げたメーカーもある。肉眼では見にくいが、ペンの先端には耐摩耗性の高いイリジウムが使われているので、万年筆マニアはルーペを持っている。このように、ペン先を作るための科学も進化していると言えるだろう。万年筆の新日本科学については、銀座にあるパイロットの「ペン・ステーション ミュージアム」で知ることができる。


他にも、万年筆のボディーについても話はたくさんあるのであるが、実は古くて新しい万年筆をみなさんにも体感していただきたい。


www.kousei.ne.jp/housin.html
光星技研株式会社は独創的なアイデアで社会に役立つ機械の創造をする会社です。


www.nik296.co.jp
日新工業株式会社は新潟県内及び首都圏を中心に機械設備工事や水道設備工事をしている会社です。