ベアリングとは軸受のことで、車のタイヤやモーターなどの回転体を支えるものです。ベアリングというと小さな軸受を想像するかもしれませんが、とても大きなベアリングもございます。大きな回転体としては、例えば水力発電でとても大きなベアリングが使われています。水力発電の水車や発電機のローターを支えるベアリングはとても大きなものです。水力発電で使われるベアリングはとても大きな荷重が掛かるので、それを支えながら回転体をスムーズに回転させるという役割が必要になります。
ベアリングの中にボールが入ったものをボールベアリングと言います。昔、大きな石を運ぶときに石の下に丸太を敷いて運んだと言われていますが、この丸太の代わりにボールを使ったものです。ボールベアリングは車のタイヤの軸受としても使用されていますが、小さなところであれば、数年前まで製造されていたハードディスクのアルミ円盤の軸受として使われていました。現在のハードディスクは流体軸受けと言って、油で浮かせた軸受を使用しているようです。
流体軸受けは、油のような流体が回転体の重量を支えることができるようであれば、どういったところでも使用できます。ある意味、ホバークラフトのような原理で流体軸受けとして機能しているものもあるかもしれません。
ハードディスクに使われているボールベアリングと流体軸受けを比べると、ボールベアリングはボールと軸がメカニカルに接続をしています。ボールはミクロの単位で微妙に大きさが違っているので、回転速度が速いと振動が発生しやすくなります。ですが、流体軸受けは流体で浮いているので振動が発生しにくいというメリットがあります。振動が発生しにくいということは、ハードディスクが壊れにくくなります。
工業用部品を販売しているミスミのカタログを見ているととてもたくさんの種類のベアリングがあることに驚きます。こういった部品をたくさんストックしているミスミもすごいと思いますが、こういったミスミのような会社を要求するぐらい、科学は発展していると言えるのではないでしょうか。こういったミスミのような部品を提供する会社が、新日本科学を支えているともいえると思います。
未来のベアリングには、どのようなものが想定されているかと言いますと、磁気軸受というものがあるようです。これは、磁気によって回転体を浮かせるというものです。もし回転体を真空の中に置くのであれば、空気抵抗なく回転させることができるというメリットがあります。もし、とても重たいものを支えるのであれば、超電導磁石を使った軸受も考えられると思います。高温超電導体は、ピンホール効果によって、強力な磁場の中で浮かせることができるので、「磁気軸受として使えるのではないか?」ということで10年以上前によく研究をされていたようです。こういった新しい技術を発展させていって、新日本科学が世界をリードしていくようにしていきたいと思います。