旅の終わりが近づいているような気がした。


この旅を始めてもう十数年になるだろうか。

いや、決意したのは、もっと遠い昔のことだったかもしれない。


求めていたものは、手に入らなかった。

手に入れる必要がなかった。


今ならわかることがたくさんある。

感じていた不安も、疑いも、幻だった。


この大切な、愛すべき宝物たちを、早く持って帰ろう。

今が一番、難しいときなのかもしれない。



遥か彼方に未来がある、かつての私たちには、理想だけがあればよかった。

あと少しで未来が見える頃には、現実がはっきりと姿を現していることだろう。




過去と、未来を繋ぐ今。

理想から、現実へと繋ぐ、今。

あらゆる選択が、あらゆる意思が、日々、未来を捻じ曲げる。





理想だけでは、未来は開けない。

現実だけでも、未来は開けない。




強い理想は、意志となり、現実の仕事として、姿を現す。


人間の本質とは何なのか、考えることがある。

「今」を切り取って「自分だ」と考えるのならば、あまりにも、情けない思いになってしまう。




ただ、こうなろうと努力している「願い」を「自分だ」と考えるのなら、自信を持って、「信用してください」と、言うことができる。


その願いを捨てない限り、年月を経て、必ずたどり着くと思うから。




他人との関係においても、そうありたいものだ。

人間なのだから、これからも、様々な感情は出てくると思う。




ただ、その途中、たとえどんな姿を見せることがあっても、見ることがあっても、「それは、一時的なものであって、本心じゃないもんね。落ち着いたら、元に戻るもんね。」と言って、むしろ、そうした欠点を補完し合える関係って、素晴らしいと思う。




もし、どうしても切り捨てなければならない時が来た時、涙を流しながら、切り捨ててくれたら、私は、それだけで救われる。