人生をより豊に生きる方法、
もののあはれと、感謝する気持ち。
「もののあはれ」という理念は、
平安時代の文学を知る上で重要な位置づけを占めます。
また、その根底に流れている無常感は、
どの古典にも共通しています。
例えば、源氏物語では、
「さて、ものがたりは、もののあはれを知るを旨とはしたるに・・・」
という文節があります。
また、平家物語の書き出しも、
「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり・・・」とあります。
ここで、「諸行無常」というのは、
万物は流転し、変化・消滅が絶えないこと。の例えです。
(Oxford Languageより)
世の中の全てのものは、生まれて消えることを繰り返しながら存在しています。
また、固定されて同じように見えている存在も、内面では常に変化を続けています。
なお、「哀れ」とは、ネットで調べてみると、
「しみじみに心に染みる感動、または、そのような感情を表す。」
(デジタル大辞泉、小学館)とあります。
また、心惹かれること、慕わしさ、いとしさという意味合いもあるようです。
ですので、幅が広いというか、なんとも表現しずらい心情を表しています。
いずれにしろ、「花は散るからこそ美しい。」という言葉が表現する
散り際が美しい花のはかなさもあります。
また、夏の甲子園や冬の箱根駅伝も、
生き物のよなもので、その一瞬は、その一度だけなので、
綺麗だったりするので、盛り上がると思います。
そのはかなさや場面に出会えたことに
感謝ができるようになると、
人生はより豊かに、感慨深くなります。
その何気ない一時を、
愛おしく感じたり、心惹かれる。
そういった感受性の豊さに、
人生を豊に生きるコツが隠されています。