ニコン F3 初期型 2 | カメラの自由研究

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東ドイツ製カメラの備忘録の予定でしたが、所有するカメラの個人的意見の方が多くなりました。

 ニコンF3初期型が変更された箇所を探るブログの続きです。ここからは、主に内部の部品編(になる予定w)です。

 前編(外装編)はこちらです。


12 シャッターボタンの軸とバネ

 軸の形状が全く変更されました。

 また、バネも細く長く変更されています。

 シャッターボタンとその周りの黒い部品に変更はないようです。ただ、黒い部品はネジで固定した上、接着されるようになっています。

 なぜ、このような変更がされたか、色々考えましたが思いつきません。詳しい方いらっしゃたら、コメントで教えてください。

 画像は、上が初期型(#1201271)、下が初期型ではないもの(#1886813)です。

 シャッターボタンとその周りに来る部品の裏側です。変更はないようです。ただ、黒い部品はネジで固定した上、接着されるようになっています。

 シャッターボタンとその下の巻上げレバーの間のバネです。細く長くなりました。

 理由は、耐久性を増すためや、生産上の都合等が考えられますが、正確にはわかりません。ただ、バネを細くした事でバネの力が弱くなったため、当初の力を維持するために長くなったと考えられます。

 軸の拡大です。形状が完全に変更されています。


シャッターボタンの下の軸の「段差」と「溝」の役割についての考察

 軸の段差と溝の役割は、シャッターボタンのケーブルネジ孔から入った水が更に奥に入る事を防止する事であると考えられます。上から伝ってきた水滴をそこで溜めるダムですね。水が入る仕組みは、①シャッターボタンのケーブルネジ孔に水が溜まり、②シャッターを切る動作でポンプのように内部に吸い込まれる、となります。この水を少しでも軸周りで食い止めるように段差と溝を作り溜めておく工夫と考えられます。後に溝の数が増えているのは、機能性能を落とさない範囲でダムを増やしたのではないかと考えられます。電気回路は外から一滴入っただけで動かなくなります。特に水が伝って落ちて行く底部には広大な基板が待ち受けてますから対策が取られたものと考えられます。

 上記役割は、レンズマウントに溝(レンズマウントの凹部)がある事も同じと考えられます。レンズマウントの溝は、両マウントの隙間に入った水分をこの溝に溜めて内部に侵入させない事にあると考えられます。こちらも臨時の「ダム」ですね。

 また、レンズマウントの溝の場合は、水止めの目的以外に、ホコリやゴミが入っても滑らかに動かす事も役割に含まれていると考えられます。溝が無いと小さなゴミでも挟んだら動きがギクシャクしてしまいますし傷だらけになってしまいます。これを避ける目的もあるのではないかと考えられます。



13 巻上げレバーの押さえ

 溝が十字から斜めに変更されています。これは、溝の切り方が、回転させなくても一方向でカット出来るという工程の簡略化ではないかと想像しています。また、初期型の十字の溝は、シャッターボタンの周りの押さえとなる黒い部品を付ける時、シャッターボタンの部品がバネで下から押されているため、シャッターボタンの部品についている出っ張り部分が、この溝とズレてしまい、ネジを回す時に工夫が必要でしたが、斜めの溝では、この点がやり易くなっています。

 事情通の方、いらっしゃいましたらコメントで教えてください。

 画像は、上が初期型(#1201271)、下が初期型ではないもの(#1886813)です。


 まだまだ続きます。多分www






更新履歴


2024.2.28

12のバネの変更について考察を追記


2024.2.24 

12のシャッターボタンの下の軸の「段差」と「溝」の役割についての考察を追記