1 概括
ニコンのフイルムカメラに、赤色で「D」と刻印された個体を見かける事があります。
これは、デモ機とも、B級品とも言われているようですが、一般的には「Demonstration」の頭文字でデモ機と理解されているようです。貸出し用も兼ねていた可能性もあると推測される方もいらっしゃいます。
本体に赤色で「D」と刻印される事が一般的ですが、稀に白色で「D」と刻印される場合もあります。白色のものは、赤色が抜けてしまったとも考えられます。
現在のインフルエンサー向け貸出機には、橙色地に「Nikon SENDEN」と黒色インクで印刷されたステッカーが貼られていることから、現在は刻印は施されていないと考えられます。
たまに中古市場で見かけますが、取引価格は、「D」の刻印が無いものと比べて「若干」高い程度で異常な高値になる事はないようです。
2 刻印例
⑴ ボディーの場合
通常の刻印の先頭に「D」と刻印されています。
F3: D Nikon XXXXXXX
FA: D XXXXXXXX
FM2: D XXXXXXX
FE: D FE XXXXXXX
FM: D FM XXXXXXX
⑵ レンズの場合
次のケースがあります。
イ 銘板に刻印されるケース
ロ 銅鏡に刻印されるケース
3 分析
確認された「D」と刻印されたカメラボディーとその製造・発売時期は次のとおりです。
⑴ F3の製造番号
ネット等で何点か確認出来ましたが、製造番号は全て155XXXX番でした。この番号は、1982.10の製造と言われています。
⑵ F3以外の機種
FM: 1977.5発売
FE: 1978.4発売
FM2: 1982.3発売
FA: 1983.9発売
⑶ まとめ
上記から、この「D」マークの刻印が有る個体は、1980年代前半に製造されたものと推測されます。