夜勤明けの朝、心が震えていた。

怒り、不安、歓喜、複雑に。


理由は分かっている。

昨日、職場で一つの出来事が動いたからだ。


私は介護職。

トイレ誘導は30分おきに来ることもある。

大きい体格の利用者を移乗しながら、心の中では何度も深呼吸をする。

普通に殺意が湧く。腕が震えて、爪があったら切り裂いてしまいそうにな心になる。


アンガーマネジメント。最近は、オルゴールを聴きながら夜勤にはいる。

タバコを吸うと、吐いて仕事にならない。

タバコは夜勤では辞めた。


人は極限になると、自分の中のものがよく見える。

仏も、鬼も、悪魔も。


私は毎日、観音経を唱える。

それは立派な信仰じゃない。

自分の中の荒い心を整えるための習慣だ。

私を内外から護り、まわりも被害がないように。


先日、ある出来事をきっかけに

私は一歩前に出ることになった。


正しいとか、正義とか、

そういう言葉はあまり好きではない。


ただ、利用者は声を出せない。

怖くて言い出せない職員も居る。

怒りで愚痴をばら撒いた

止められなかった、無理だった

気持ち悪かった、退職しても構わない

仕事を失っても、構わない


怒りだけが突き動かした。それだけは事実。


夜勤明けに、その出来事のあとに、眠った。


夢を見た。


大きな地震と津波だった。

人々は皆で息を止めて波に耐えていた。

何度も来る波を、何とか超えていく。


けれど最後に、前と後ろからも同時に波が来た。

私は海に飲まれた。


海の中で、

神仏のような存在が現れた。


私は言った。


「お前はキツネだ。」


そこで目が覚めた。


朝の空気は冷たく、

体が震えていた。


怒りはもうなかった。

ただ、人の心の中には

神も、仏も、悪魔もいるのだと、その思った。


そして大事なのは

どれを選んで生きるかだ。

私は悪魔も選ぶ。ダークワーカー。

悪魔たちと、自分の悪魔すら輝かせたい。

地獄で働く鬼のように。


今日は温泉に行く。

身体を温めて、

また普通の一日に戻るために。


神様は外にいるのではなく、

自分の中にいるのだから。


また、新しい気持ちで、あの場所へ。


闇も光も、すぐそばにある。