今回は、2023年3月に行われた百読会の様子を報告します。

当教室は、年に2回「百読会」という訓練をしています。


その名前の通り1日で、百冊読むことを目標とします。
朝9時から始まって、初めの1時間はウォーミングアップ、

2時間目からは50分読んでは10分休む、

という繰り返しになります。

 

夕方6時に終了して、それから自分で読んだ冊数

1冊に掛かった時間などを集計します。


これは、どの受講生でも参加できるものではありません。
ある程度レベルが高くなってから認められます。

 

またレベルが高くなったからと言って、こんな苦行のような

訓練に自ら望んで参加する人は貴重です。


今回は、4人の参加者がいました。


1人目は、速読眼が完成して、これから速読脳を作って行こう

という段階の60代の男性です。


速読眼というのは、1分間に15000字以上を順に滑らかに見て行く

能力が身についた状態です。
分かりやすく言うと、字が詰まった本の1ページを2秒で見ていく

能力です。


この方は、まだ一般書を使って理解する訓練はやったことがない

で、普通に読む訓練をさせていたら、丸一日体力が持ちません。


そこで、理解をしなくてよいので滑らかに文字を見て行くだけの

練をさせたり、上下の折り返しだけを見て行くような

フォーマットがあるので、その訓練を入れたりして、

後半になってから一般書を少し理解する訓練も入れました。


同じ本を何回も使ったので、読んだ冊数は5冊でした。

2人目は、速読脳を作っている段階の50代の男性です。
速読脳とは、1分間に10000字以上で理解して行く能力が

身についた状態です。
分かりやすく言えば、字が詰まった本の1ページを3秒で読んで行

能力です。


この方は、まだ1分間に7000字ぐらいなので、速読脳が

完成しているわけではありません。


ですから、同じ本を繰り返し読んで低い理解度から徐々に

上げて行く練習をしたり、左目だけで読んでから両目で読んだり、

ご自分なりに工夫していました。


ですから読んだ冊数は、11冊でした。

3人目は、最近速読脳が完成したばかりの20代の女性です。
この方は、1分間に10000字以上で理解して行く能力が

安定しています。


但し、当日は寝不足で、体も頭も疲労が溜まっている状態での

参加でした。
それでウォーミングアップ的に、低い理解で軽く読む練習も入れて

あらすじが取れるような理解で読んだり、普通に満足できる理解

読んだりしながら35冊読みました。

4人目は、当教室の歴史の中でもトップクラスで、1分間に10万字で

読む能力がある50代の男性です。


どの本も、普通に理解して2分とかからずに読んでしまいます。
その姿は、背筋がピンと伸び、目は炯々と輝き、素早くページを

くっているにもかかわらず紙が変に揺れることがありません。

つまり素早いのに、見やすいめくり方なのです。

更に精密機械が紙をめくるように、音がほとんで出ません。


頭の中は、高速に本の内容を理解しているのに、

まるで僧侶が静かに座禅を組んでいるかのような雰囲気で鎮まっています。


こんな状態が、朝から晩まで、全く崩れることがなく
読んだ冊数は、101冊でした。

 

まさに当教室が目指している「速読」の理想型を体現しています。

 

読者さんも速読と聞くと、それぞれ持っているイメージがあると

思いますが、速く読むからと言って決して興奮しながら読むもの

でもなければ、1ページを一編に目に焼き付けるように見るもの

でもありません。

 

当教室が目指している速読はどういうものか少し理解して

いただけたのではないでしょうか。