審決取消訴訟

(1)延長登録出願の拒絶審決取消訴訟:令和2年(行ケ)10063

(終局日 令和3年3月25日)

承認された有効成分は塩酸塩、特許に記載されたのはフリー体であり、特許庁では延長が認められなかったが、高裁は一転し延長を認めた。上告せず確定。

 

(2)延長登録無効審判の審決取消訴訟:令和2年(行ケ)10096、10097、10098

上記と同様の理由により、特許庁では延長登録無効とされたが、高裁は一転し延長登録は無効でないとした。上告棄却により確定。

その後⇒特許庁に差戻し⇒審決取消訴訟:令和4年(行ケ)10046、10048、10049⇒上告中

<メモ:延長登録無効審判の包袋・審決は非公開>

 

(3)特許無効審判の審決取消訴訟:令和2年(行ケ)10041

特許庁での特許維持審決(進歩性有)の取消訴訟。高裁は審決を維持(進歩性有)。上告棄却により確定。

 

(知財高裁サイトより)

 

特許侵害訴訟

(1)差止請求

●東京地裁平成30年(ワ)38504号、38508号(2021/3/30)

東レが製造販売する経口そう痒症改善剤「レミッチ®」(「レミッチ®カプセル2.5µg」および「レミッチ®OD錠2.5µg」(一般名:ナルフラフィン塩酸塩)に関する用途特許(特許第3531170号、延長登録:特願2017-700154号及び特願2017-700310号)に基づき、後発医薬品の製造販売差止を求めた事件。

被告の有効成分(原薬)であるナルフラフィン塩酸塩は、原告特許権の範囲外(均等でもない)。

 

●知財高裁 第2部 令和3年(ネ)第10037号(2021/8/10 第1回弁論)

⇒以下、仮処分命令が出されたとのプレスリリースはあったが、令和4年11月に特許が切れた。差止だけでなく、損害賠償請求もされているので、損害賠償について判決が出るものと思われる。 

 

(2)仮処分

令和4年(ウ)10097、10099(2022/10/7:東レプレスリリース)

https://www.toray.co.jp/news/details/20221005112155.html

本件仮処分命令により、沢井製薬株式会社および扶桑薬品工業株式会社は、上記用途特許の存続期間中の上記後発医薬品の製造販売停止を命じられております(用途を血液透析患者、慢性肝疾患患者におけるそう痒症の改善(既存治療で効果不十分な場合に限る)とするものについては令和4年11月16日が経過するまで、用途を透析患者(血液透析患者を除く)におけるそう痒症の改善(既存治療で効果不十分な場合に限る)とするものについては令和4年11月21日が経過するまでの間)。

⇒延長された特許権の効力について判断がされた模様。しかし、仮処分事件は非公開なので、侵害訴訟(差止・損害賠償請求)の高裁判決が出されるまでどのように判断されたかは不明。

 

(2023/3/16追記)