ウチの講師は、去年から、首かけタイプのネームプレートをしている。
来訪者に安心感を与え、講師に責任感を持たせるためだ。

ところが、最近、予想もしなかったイタズラをする生徒が現れ始めた。
中2の数学のクラスにいる、女の子のSちゃん達だ。

3週間前の授業中のこと。

私が板書をしていると、何やらヒソヒソと、いかにも悪だくみって感じの声が聞こえてきた。
手紙も回したりしていて、いよいよ怪しい。

  私 「どうしたの?」
  S 「いえ、何でもありません。」

また板書を続けていると、今度は殺気が。

振り向いたみたら、中腰姿勢の

  S 「ウーッ。ザンネン。もうちょっとだったのに。」
  私 「何がもうちょっとなの?」
  S 「いえ、何でもありません。」

他の生徒達は、ニヤニヤしている。

何をたくらんでいるのか気にはなったが、さらに板書を続けていたら、
Sちゃんではなく、一番前の席のKちゃんが、突然、
私のネームプレートのひもを、後ろから引っ張ったのである。

そうか。これを狙ってたのか。

その他愛もないイタズラは、次の週もあった。
私は、気づかぬ振りをして、彼女達に適度に期待を抱かせつつ、
寸前の所でかわす作戦に出た。

失敗した時の、彼女達の悔しがり様が、これまた可愛い。

今日は、その中2の数学の日。
今晩も楽しめそうだ。

あっ、授業もちゃんとやりますよ。