隣りの男 / yume no enkin | きっと ボクは。

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(隣りの男)
















夢は

詩の refrain に似ていた
氷を入れた焼酎は
星の笑いだ

生活を捨てて
神仏に仕えたいと思う
(しかし女には慰められたいと思う)
わたしの心が汽車となって
銀河を目指しはじめるのだから
仕方がない

時に浮雲は山の端を離れ
山の端に 別れて
暁の月が見える
儚くもないものが自然のはずなのに
儚く見るのはわたしの
心だ こころ!
それをどう捉えたらよいのか
わたしには分からなかった。

魂よりも
現実的な心 こころよ!
おまえがわたしを支配して
今、
銀河を目指しはじめるのだから
それは仕方のないことだ

わたしに似ても似つかぬ隣りの男が
酔っておんなを口説いている
わたしの
氷を入れた焼酎に
星々が笑っている









(夢の遠近)







梢に泣けば 秋風がふく
あゝそれは事実だ
梢に泣けば 秋風が吹く
あゝそれは 事実だけれども
梢に泣いているのは
誰か
秋風を吹かせるのは
誰が 泣いているのか

見向きもされない無声映画か
フィルムか かつては夢の宿った
夢を宿したこともあった —

梢に泣けば 秋風がふく
あゝそれは事実だ
やがて冬の来る あゝそれも
ほんとうだ
それからそれから春になって
俺にいま匂っている花は
いつからか其処にいる

またいつまでも
夢の遠近