知らない番号からの電話に出た。
ユージだった。
何、この番号…
「親のスマホを借りたんだ!」だって。
怖いってば…

恐る恐る話した。
でもなんか…
うーん…
案外普通(?)だった。
「元気?ちょっと声が聞きたくなってさ!少ししゃべれない?」だって。
明るい感じで。
軽い感じで。

まあ、そんな感じで言われると断ることも出来なくて…
いや、断れよ、私。

そんなに長く話したわけじゃないけど
「また会えないかな?友達としてでいいから」とか言われた。

なんだろ?
あなたのようなモテるであろうイケメン男性が
なぜ私のような、地味でつまんない女に執着するのかわかりません。

「羽那は可愛いんだって」
呼び捨てにしないで。
もうあなたの彼女じゃないし。
あのね…
もう会うことは出来ないの。
元彼と友達とか無理。
復縁はもっと無理。
だって、私…
次の人が出来ちゃったから。

「え?!マジで?!早っ!やっぱお前、可愛いんだよ!」
お前って言うな。
なんだよ、あんた。

「じゃあ、仕方ないか…悪かったね」だって。
あれ?
あんた、謝れるんだ?
へぇ…
意外。

私に言われたくないか。

私のくせに、次の人が出来たなんて嘘がとっさに言えたのは…
その時頭に思い浮かんでた人は…
まゆみ先輩だった。
いかんいかん。

まあでも、すぐにとっさに嘘が出たのは先輩のおかげだ。
ありがとうございました。

これでユージとも完全に終われたのかな…