脳神経科学19
覚醒と睡眠5
睡眠の発達

今日は、睡眠が人生の中で、
どのように変化していくのかについて簡単にお話しします。

睡眠は、生まれてから死ぬまで、
ずっと同じかたちで存在するわけではありません。
覚醒と睡眠の割合、ノンレム睡眠とレム睡眠の割合、
眠りの深さという点において、変化します。

新生児は、1日約16時間眠り、
レム50、ノンレム50%です。
これが、幼児期に、13時間、40:60、
児童期に、11時間、20:80、
青年期に、9時間、20:80、
成人期に、8時間、20:80、
老人気に、7時間、20:80となります。

このように、レム睡眠の割合は、
新生児では50%ですが、
3~5歳のときには、20%となり、
その後は大きな変化はありません。
全体としての睡眠時間は、年とともに減っていきます。

覚醒ー睡眠の周期も、
子どもと大人ではことなります。
新生児は、1日に何度も寝て起きてを繰り返す
多相性睡眠という特徴を持ちます。
それに対して、1歳から成人になるにつれて、
夜間に眠り、昼間に起きるという
単相性睡眠という特徴に変わっていきます。

また、入眠時間と眠りの深さですが、
子どもは、短く、深い、
高齢者は、長く、浅いという特徴を持ちます。

成人型の睡眠は、
大脳皮質が完成される6歳までに完成します。
すなわち、睡眠というのは、
大脳皮質を休め、回復し、
また記憶固定を行う上で重要です。

今日まで睡眠についてお話ししました。
明日からは、前頭葉の機能についてお話しします。