上斜筋(滑車神経)麻痺 | 神経内科専門医の日々のつぶやき

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上斜筋(滑車神経)麻痺の患者は正面を向いているとき、患側の眼球は上方へ偏位しています。
さらに頭部を患側へ傾けさせると、患眼が上転が増悪します。
これはビールショースキーの斜頸試験(Bielschowsky's head tilt test)と呼ばれ、上斜筋麻痺の検出に有効です。

原理として、上斜筋麻痺の患者が一側に頭を傾けると、頭を傾けた側の眼球では、固視を維持するため、反射的に内回旋運動が起こります。
正常では眼球の内回旋運動を司っているのは上斜筋ですが、これが麻痺している場合には、第2の内回旋筋として上直筋が働くことになります。
ただ、この上直筋が収縮すると、上直筋の作用である上転が同時に生じ、結果的に上転が増悪します。