Wernicke脳症 | 神経内科専門医の日々のつぶやき

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yotsuba.Wernicke脳症yotsuba.


Wernicke脳症は、ビタミンB1の欠乏により、意識障害、外眼筋麻痺、小脳失調の3徴をきたす疾患です。
しかし、病理学的にWernicke脳症と診断された中でこの3徴を満たすのは、16%と言われています。
さらに、この3徴が出現しなかった例は、19%と言われています。



そのため、①栄養障害、②外眼筋麻痺、③小脳失調、④意識障害または記憶障害のうち、2つを満たすと、Wernicke脳症の診断基準を満たすとCaineが提唱しています。

画像所見としてMRI/FLAIRで第3脳室周囲、中脳水道周囲、第4脳室底、乳頭体に高信号を認めます。
この画像所見を呈した場合の鑑別として、両側傍正中視床梗塞、深部静脈血栓症、悪性リンパ腫、変異型CJD、視神経脊髄炎の報告があります。

治療はビタミンB1の補充です。Korsakoff症候群としての後遺症が残る場合があります。