悪性リンパ腫と末梢神経病変② | 神経内科専門医の日々のつぶやき

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専門医取得したのでタイトル変更しました。「かけだし」気分はもうやめなくては。

だいぶ暖かくなってきましたね。また桜の季節になりました桜
1年のうちで、この季節が1番好きです。


前回の論文の続きを読んでいきます。


さくら悪性リンパ腫と末梢神経病変②さくら

Clinicopathological features of neuropathy associated with lymphoma(Brain 2013: 136; 2563–2578)

この論文で悪性リンパ腫に末梢神経障害を合併した患者の発症年齢は30~86歳でした。

すべての患者は、非ホジキンリンパ腫でした。

26人の患者は、B細胞性リンパ腫、6人の患者はT細胞性リンパ腫でした。
B細胞性リンパ腫の患者において、最も一般的なタイプは、26人中20人でびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫でした。
発症年齢はT細胞性リンパ腫に比べてB細胞性リンパ腫の患者で高齢でした。

32人の患者中、23人が四肢または顔面の多発性単ニューロパチーを呈していました。
その他の9人の患者が、対称性の多発神経障害を呈していました。

55%の患者(14人のB細胞性リンパ腫、および3人のT細胞性リンパ腫の患者)が最初は神経疾患と考えられ、悪性リンパ腫の診断はされていませんでした。
他の45%の患者(11人のB細胞性リンパ腫、および3人のT細胞性リンパ腫の患者)は、神経学的症状が現れる前に悪性リンパ腫であると診断され、悪性リンパ腫の発症から末梢神経障害をきたすまでの期間は41.3±37.7カ月でした。

これらの患者のうち13人は化学療法を受け、悪性リンパ腫の診断となってから1年以内に化学療法は終了し、このときに神経学的異常は認めていませんでした。