子供が将来悪質なストーカーにならないためにどう育てるか? | 日本一教育科学に詳しいコンサルタント

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悩める親の問題を解決します。

背景

 

 あきらめが悪い、こだわりが強すぎる、次にいけない、行動や気持ちを切り替えられない・・・「あきらめる」という脳機能が低いせいで逆恨みやストーカー化してしまう男性や女性が後を絶ちません。

 

 

例えば、福山雅治が結婚した時、少なくとも三人の「自称」福山雅治の長年の恋人が裏切られたと騒いでいました。この「自称」恋人たちが言うには、ライブや音楽を通じて福山雅治が女性に「二人にしかわからない秘密のメッセージ」を送っていたとのことです。

 

 ほかに世間を騒がせたニュースで記憶に新しいのが「24歳の女性バレエ講師の指を切断した41歳の男」のニュースです。この男性は、講師との行き違いで退会させられ、恨みが募り、五か月後に犯行に及びました。うまく気持ちの切り替えができず、どうしてもあきらめることができなかったことが分かります。

 

 私自身、大学生だったころにストーカー被害で警察に相談したことがあります。さまざまな証拠を提出し、ストーカー事案として親身にしっかりと対応をしていただいた経験があるだけにこの問題はしっかりと研究できればと考えています。

 

目的

 

 この記事では、他分野にわたる様々な論文をもとに考えられる「わが子が将来悪質なストーカー化」の回避方法を探ることが目的となります。

 

方法

 

 ラット行動切り替えの実験、双極性鬱のストーカーの治療レポート、自閉症ラットのこだわり行動の改善実験、脳内伝達物質の仕組みに関するものなど、「行動の切り替え能力」に関係がありそうなものを分析することで目的を達成します。

 

結果

 

 広島大学のラットを使った研究で、脳内の「ある物質」が行動の切り替えと関係があることを突き止めました(1)。

その物質というのが「アセチルコリン」です。この物質が多いと、行動の切り替えがうまくいかなくなることが分かりました。

 

 次にイスラエルでラットを使った実験があります(2)。

自閉症のラットの脳内にアセチルコリンをブロックする専用の注射をしたところ、劇的にこだわり行動が減り、社交性を獲得しました。

 

 最後に双極性障害の女性が投薬と行動療法でストーカー行動をしなくなったレポートを紹介します(3)。

この女性は産婦人科医をストーカーしていたのですが、通報され精神科医に診てもらうことになりました。どうやら複数の精神障害を患っていたようで、リチウムとバルプロと呼ばれる精神安定剤を処方されました。それだけでなく、行動療法も受け、結果的にストーキングは再発しませんでした。

 

 

考察

 

  どうやら、アセチルコリンが多いと、行動切り替えスイッチの働きを鈍くしてしまうようです。

しかし逆に、少ないと今度は記憶力、理解力などが低下してしまうことも分かっています。

 

  この絶妙なバランスをどうすればよいのか。どうやら、快楽や集中力に関係があるドーパミンとバランスをとりながら脳内で自動的に調節しているようです。ドーパミンが少ないと、相対的にアセチルコリンの作用が強くなるということです。

ドーパミンのもととなるチロシンは、タケノコに豊富にあることが分かっています。あるいは、チロシン入りのプロテインなども非常に安くておすすめです。

 

  他には、アセチルコリンを必要以上に受け取る穴をふさぐ注射もラットの実験で効果的であることも分かりました。しかしこれを人間に行うのは現実的ではありません。

 

  さらには、うつ病や双極性障害もドーパミン不足と関係が深い脳機能障害です。セルフコーチング、プロテイン、瞑想、運動、趣味に没頭するなどで前頭前野の機能を高め、ドーパミン受容体を増やすことが重要となります。ドーパミンが増えればアセチルコリンとのバランスが取れて、こだわり行動が減って行動の切り替えが上手になると考えられます。

 

 

結論

 

  1. 子供のうちに前頭前野を鍛えて、HQ(人間性知性)を最大限に高めておけばストーカーになることを予防できる。
  2. ドーパミンが出やすいように、チロシンをとろう。
  3. ジョギングなどの有酸素運動やセルフコーチングで前頭前野を鍛えておこう。ドーパミン受容体が増えて、相対的にアセチルコリンの活動がバランスよく抑えられる。

 

 

(1)

Enhanced flexibility of place discrimination learning by targeting striatal cholinergic interneurons

 

(2)

Acetylcholine elevation relieves cognitive rigidity and social deficiency in a mouse model of autism.
Karvat G, Kimchi T.

 

(3)

Bipolar disorder presenting as stalking--a case report.
Savoja V, Sani G, Kotzalidis GD, De Rossi P, Stefani S, Pancheri L, Santucci C, Roma P, Ferracuti S, Simonetti A, Ambrosi E, Comparelli A, Manfredi G, Tatarelli R, Angeletti G, Girardi P.