こんにちは
みなさん週末、いかがお過ごしですか?

以前にご紹介した今日まで開催の根津美術館の「KORIN展」
会期中、2度足を運ぶことができました。

$Shinobuの歩むみち♪


根津美術館所蔵の国宝「燕子花図屏風」とメトロポリタン美術館所蔵の「八橋図屏風」
どちらも尾形光琳作、六曲一双。

この2つ屏風が、同じ展覧会で登場するのは大正4年(1914)の三越微呉服店で開催された「光琳二百年忌光琳遺品展覧会」以来約100年ぶり。
そして、2つが並んで展示されたのは、おそらく史上初めての機会となっているそうです。

どちらも『伊勢物語』の第九段「八橋」を題材にして描かれています。
三河八橋は、伊勢物語で語られた燕子花の名所です。
光琳は40代で「燕子花図屏風」を描き、10年近く時を経て同じ題材で「八橋図屏風」を描いています。

並べて観ることができるので、その違いがよく分かりますよ。
花弁も葉もどっぷりと濃い顔料で描かれた「燕子花図屏風」に対し、「八橋図屏風」では、花弁の色は特に薄くなり、透明感をもって美しく繊細に描かれています。さらに、新たに加えられた八橋が画面全体をキリッと引き締めています。
これらは、肉眼で見ないと絶対に分からないことですね。しかも2つの屏風が並べてあるからこそできる比較。夢のようです。


今回の展示にあわせて、美術館の庭園でも燕子花を観賞できるようになっていました。

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館内で光琳の描いた燕子花を観て、お庭に出て生花の燕子花を観賞する。そしてまた、もう一度館内の屏風を観る。館内全体を回ったあとに、また最後にはどうしても光琳の屏風を見てから帰りたくなる。美術館を訪れた多くの方がそうだったのではないかと思います。




そしてこの展覧会、私がもう一つ惹き付けられて止まない作品がありました。

酒井抱一作「青楓朱楓図屏風」文政元年(1818年) 六曲一双

紙本金地着色で、光琳の2つの屏風同様金箔の上に右隻には青葉の楓、左隻には紅葉した楓が緑青の土坡を背景に描かれています。それはそれは色彩鮮やかで伸びやかで大胆でありながら、少しだけ描かれている草花や楓の葉の描き方によって繊細さが加えられているとても魅力的な作品です。
酒井抱一自身が刊行した『光琳百図』を元に作成された作品だそうです。
個人の方の所蔵だそうです。それはそれはすばらしい保存状態で、美しく豪華な屏風です。



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光琳のこれら2つの屏風をこうして並べて鑑賞できる機会は、これが一生に一度の機会だったのだと思います。本当にすばらしいチャンスに巡りあえました。

会期は今日までです。
大変混雑していると思いますが、またとない機会ですから、ぜひに!


KORIN展@根津美術館
国宝「燕子花図」とメトロポリタン美術館所蔵「八橋図」

2012年4月21日(土)~5月20日(日)

shinobu♪