自作小説その19 | 箱庭の空

箱庭の空

小さな世界。

別の人に見ていただきました。
正味、迷走していますが……やりたかったことを全て詰め込んだ結果だと思って下さい。

「ソロモンよ!私は帰ってきた!」がマイブーム。
実はジオン派のほうが多いんじゃないっすかね?
そこを刺激してくれる夕立改Ⅱ。
ガトーさんに誘拐されるっぽい。

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「人が嫌がるものを好んで見ようとする。変わった人だな、君も」

と、一言吐いて、摂政は椅子に深く腰掛けたまま、少し考えているそぶりを見せる。
 その間がいたたまれなく、恥ずかしい。

「やっぱり恥ずかしいのでしょう。それとも見せるのが惜しいのですか」

 段々、上った血は醒めていく。しかし、それを何とか取り繕おうとする焦りが、言葉だけをエスカレートさせていく。

「強いて見せようとも思わないし、見たがる人間も誰もいなかった」

 どうも本気で悩み込んでいるらしく、摂政の眉間にしわが寄っている。

「見てどうする気か分からないが、あくまで見せろと言ったのは君だぞ。変態趣味の持ち主とは思われたくないからな」

 今更言わなくとも、ラリサにとって、いや多くの人にとって、彼はもう充分に変態であろう。

 と、いうか、男性はヘンタイなものなのだ。
 無意識にそう思っていることを否定したく、相手にそうでないことを願っている。ラリサはそういうタイプの女の子だった。

 それを、斜め上から肯定されるようなことをされては、頭が混乱してしまうのだった。

 このまま、このどうしようもない沈黙が続くなら、彼女には耐えられないことだったが、何をするにも、彼は決定してしまえば行動は早かった。
 やおら立ち上がると、するすると着衣を取った。手を貸す間もない程に。およそ羞恥のかけらも感じさせず。

 まず上半身から露わになった。いかにも寒冷地に住む人らしい、白い肌をしていた。一番下の、黒のランニングシャツを残したまま、下の着衣に手をかける。
 はしたないこととは思いながら、ラリサは見つめることしかできなかった。彼の体格は軍籍を置いた者らしい堂々としたものだった。それは期待を裏切らなかった。
 恐らくその視線には気付いているのだろうが、彼は動じない。

―うわぁ、すごい上腕筋に胸板。

 見世物として作っているものではないから、とても自然な鍛え具合だ。惚れ惚れしてしまう。

 ここまでは、「普通のこと」に過ぎなかったのだろう。

 一瞬のためらいと小さなため息を挟んで、摂政は腰にも手を掛けた。はらりと落とされた、漆黒の着衣の下は―何と。

―これ、ですか。

 ボクサーパンツでもトランクスでもなく、水色の布切れ。その前後上部に白い紐が通され、両端で腰に括りつけてある。そんな構造の下着だった。透けてもいないが、かなり際どい。

 彼はその姿のままで、平然と几帳面に衣服を畳んでいる。とても非現実的な光景だった。

「えと、あの……」

 何と言葉掛けをしたら良いのだろう。

「か、かわいい……」

と、言えばそうなのか。
 彼は、目だけで、じっとこちらを見ている。

 確かに、男の下着に決まりはない。が、かっちりとした黒の三つ揃いの下が、これだと思うと、とても違和感があった。

「何を付けようと勝手、これが私の好みだ」

 見透かしたようにさらりと言った。あからさまに赤面するとかそういった様子は見られない。
 見えないところで何をしていても構わない。そういう類のことなのかこれは。逆に普通は絶対に見せられない。

「さて、次は―どうしたらいい」

 訊かれても困った。

「何を望む」

 いつもこんな風に、仕掛けておきながら最後の決定権のみを委ねるような真似をする、と摂政に対して思う。今、彼も恐らく同じだ。

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その18への「いいね」をありがとうございました。
恐らくそれに似たまともな文章が多ければこのブログももっと繁盛するだろうに。
それでもエロが書きたいのね自分。