ネットワークビジネスの勧誘の際によく出る質問の1つに、
「商品購入のノルマとかってあるんですか?」
「在庫抱えたりしないですか?」
というものがある。
これについての答えは大抵こんなかんじだ。
「基本的には、商品を購入するしないは本人の意思だし、自由に選択できるから、ノルマは存在しないですよ」
「過剰在庫を抱えるということも、昔はあったらしいけど、現代のネットワークビジネスではほ会社自体が過剰在庫などを禁止しているからありえないですよ」
と。
これは実はとても正しい回答である。
間違ったことは言っていない。
しかし。。。
実は上の説明に当てはまるのは、ビジネスに興味がなく商品を使いたいというだけの“消費者会員”の場合である。
ビジネス会員となると話が違ってくる。
確かに、仕組み的には強制的なノルマも過剰在庫もないのだが、実際問題としてはノルマもあるし、過剰在庫もありえる。
まず商品購入ノルマはこんな感じだ。
ビジネス会員の場合、商品の良さを積極的に口コミする必要があるし、また共にビジネスを頑張る仲間もいる。
そうすると、ビジネス仲間同士で以下のような会話が必ず出る。
「お前、○○という商品は必ず毎月買わないとプレゼンに説得力がないよ」
「ビジネス本気やるんなら○○と○○は必ず買わないと!」
「本気で成功したいなら、全ての商品を持っていないと成功しないよ」
などというものである。
つまり、ビジネスとして周りに口コミするために、商品を毎月一定以上愛用しておく必要がある。
また周りのビジネス仲間に負けないような愛用者である必要が出てくる。
ビジネスとして行うならこのくらいの投資は確かに当然のことであるかもしれない。
しかし、ネットワークビジネスの場合、ビジネスをしようかどうか迷っているような会員が、上のような会話から雰囲気的に呑まれてしまい、あまり欲しくもない商品を購入し続けるハメになることがよくある。
そして一度購入を始めると、仲間意識も絡まってきてやめることができなくなったりする。
これは実質的に購入ノルマが存在するのと変わらないと思うし、むしろ人間関係と商品購入が絡むのでもっとややこしいかもしれない。
次に過剰在庫についてである。
ネットワークビジネスでは、どこの会社でもビジネスのランクというのがある。
そのランクが高いほど、報酬も高くなる。
各ランクというのは、毎月の自分のグループでの商品の売上金額が基準になる。
そうなると、自分のランクを無理矢理にでも上げるという場合が出てくる。
例えば、あるランクを目指している月末、こんなことが起こる。
「目標の売上200万まで、あと30万円売り上げが足りない。。。
でももう月末だ。時間がない。
だけど、なんとしてもあと30万円売上げないと、目標達成できないし、、、
応援してくれている皆にも申し訳ない。。。
絶対目標達成するって言っちゃったし。
...よし、今月は30万円分の商品を自分で買って無理矢理にでも目標達成してやる!!」
こうして必要のない商品を30万円分購入し、無理矢理にでも目標達成しランクを上げる。
そしてなぜかこんな達成の仕方でも仲間から、
「そうまでして達成したお前はきっともっと成功するよ!」
なんてことを言われたりする。
こういったことは滅多にないと思われるかもしれないが、予想以上に多い。
それほどに、目標達成までの周囲からの無言のプレッシャーも大きいし、ちょっとテンションもハイになっているため冷静な判断ができなかったりする。
このように、ビジネス会員であれば(ビジネス会員と深く関わっている一般会員も含むが)、事実上の商品購入ノルマや過剰在庫が存在するというのが実情である。