“ネットワークビジネスで不労所得”という大嘘 | アンチでも信者でもない某大手MLM会員が語るネットワークビジネスのこと

アンチでも信者でもない某大手MLM会員が語るネットワークビジネスのこと

某大手MLM社(ア○ウェイ)の幽霊会員です。

元々少しネットワークビジネスでビジネス活動していましたが今は違うビジネスを行っています。

自身の経験から、ネットワークビジネスについて様々な見解や考察を書いてみます。

「ネットワークビジネスで不労所得が得られる!」などどいう言葉を聞いたことがあるかもしれない。

これはネットワークビジネスの仕組み上、一応は事実なのだが、ここには見逃せない“大きな嘘”も同時に存在する。

今回はちょっとそのことについて話してみたい。



まず、ネットワークビジネスで報酬を得るためには、自分の紹介、その紹介、またその紹介・・・といった具合で、口コミをベースとして会員を増やしていくことから始まり、そして自分から派生した会員のグループを形成する必要がある。

そしてそのグループ内の人間が、定期的に商品を購入することで、その流通金額の数%~数十%の報酬を得ることができる。

報酬金額は、グループの形成の仕方や、流通金額の大小によって決まるという仕組みだ。



大まかな例を挙げる。

例えばあなたがネットワークビジネスを行っており、グループを形成していたとする。

そこで、あなたから派生したグループは100人となり、そこで毎月100万円の商品を売り上げていたとする。

報酬率を仮に売上の10%とすると、あなたには毎月、特に何もしなくても100万円×10%=10万円の報酬が支払われることになる。

・・・何もせずに毎月10万円が入ってくる?なかなか良い話だ。

「不労所得で月10万円!?ちょっとした不動産オーナーのようなものじゃないか!!」

って思うかもしれない。



実際、上のような話は、ネットワークビジネスの勧誘時や、ビジネス開始後の説明などでも多用されている類のものだ。

しかもビジネスの仕組み上、理論としては十分可能な話であるため、真実味もある。

この類の話を聞いた場合、比較的簡単に不労所得を得られるようなイメージを抱いてしまうし、一度得られた報酬はずっと安定して入ってくるかのように無意識的に感じてしまう。

…しかしちょっと待って欲しい。実はここに大きな落とし穴がある。

上の例は、ビジネス理論上は可能であったとしても、これはあくまで仮の話なのである。仮の仮である。

現実として、ネットワークビジネスで安定した不労所得を得ることは極めて難しいのだ。

なぜか。その理由として主に2つを挙げる。



1.メンバーが継続的に商品を購入するとは限らない

ネットワークビジネスで不労所得を得るためには、会員となっている会社の商品を継続的に購入してもらう必要がある。

毎月の商品の売り上げが、1月は100万、2月は20万、3月は8万、4月は30万・・・などと大きく変化しては、安定した報酬は望めない。

しかし、洗剤であれサプリであれ化粧品であれ、あらゆる商品が巷には溢れている。

またネットワークビジネスで扱っている商品は、高品質を確保するために一般市販品よりも高価格となっていることが大半である。

結果として、多くの会員が、より低価格の商品を提供している市販品へと流れやすくなってしまうなどして、ブランドチェンジしてしまうのである。

例えば化粧品などでは、ある調査結果によると、数ヵ月~半年ごとに違うブランドを試すという女性が圧倒的に多かったりする。

ネットワークビジネスでは、定期的な商品購入が途切れれば報酬も途絶えることになるため、これは死活問題となりうる。

よくネットワークビジネスを行っている人で、「私はネットワークビジネスで報酬を毎月50万得ている!エッヘン!」などど言っているがいる。

しかしそういった人の大半は、過去の実績の最も良かった時の報酬を公言しているという人が多く、その実態は、公言している金額の半分以下だったりする(私の過去聞いてきた経験による)。

実はそのくらい、毎月継続的に商品を買ってもらうことは難しいことなのだ。



2.ほぼ永続的に続く“労働”

ネットワークビジネスでは、1度グループを作ったからと言って安心はできない。

それは1でも述べたように、グループでの流通が生じていたとしても、必ずしも安定した報酬に結びつかないからである。

その結果どうなるかというと、商品の流通量を維持・拡大していくために、ビジネス活動に力を入れる必要がでてくる。

それは、新規会員を得るための人脈作りや人付き合い、グループへの指導やフォロー、商品のデモンストレーション、セミナーへの参加、イベントの企画などなど・・・多岐にわたる。

これらの活動のためには、当然お金もかかる。

交通費、交際費(お茶代・食事代)、セミナー参加費、商品代金・・・。

自分のグループの流通量を維持するため、グループの会員数を増やすため、ビジネス活動に邁進するのである。

そしてネットワークビジネスで大半を占めると言われている、月額報酬が数千円~10万円程度の人の場合、ビジネスのために費やす諸経費が、受け取る報酬を上回ってしまう(つまり赤字)。

夢の不労所得を得るため活動している会員の大半は、実は赤字のままビジネス活動を続けているというのが実情なのである。

これは、不労所得どころの話ではない。無償の労働者と言われてもおかしくない。

加えて、ネットワークビジネスのみで生計を立てている人の場合でも、常に、いつ自分の収入が下がるかわからないという不安を抱えている。

表面上では、「不労所得があるから365日が夏休みみたいなものなのよ♪」なんてことを言いながら、実際は365日常にビジネスのことを考えて、不安をかき消すように忙しく忙しく動き回っている。

目標である“不労”所得には程遠い人たちが大勢いるのである。

これは、ネットワークビジネス界に君臨する、トップディストリビューターと言われる、成績優秀な会員でも例外ではない。

報酬額にすると、毎月数百万~数千万程度を受け取っている人たちである。

私も何人もトップディストリビューターの方にお会いし知り合いも多いのだが、確かに彼らは、それ以下のレベルの会員に比べると安定した収入がある。

しかし、その中でも驚くような話を聞いたことがある。

それは、かつては3万人規模のグループを持ち、報酬を毎月700万円程度得ていたというトップディストリビューターの話である。

彼の話によると、安定していたはずのグループが数年で崩壊し、3万人の会員が3千人程度まで減少してしまったらしい。

当然報酬も激減し、それまでの生活を維持できなくなっていしまったらしい。

その原因というと、彼のグループで主力だったグループが、次々と他のネットワークビジネスの会社へと移ってしまったことが大きいようだ。

この例は特殊かもしれないが、たとえトップであれ、安心はできない世界なのである(ビジネスの世界全般で言えることだが)。



以上2つが、ネットワークビジネスで不労所得を得ることが困難である主な理由だ。

しかしこれは、ネットワークビジネスを否定しているわけではなく、私が実際に経験したり聴いたりした事実を羅列しているのだ。

もちろん、少数であるがネットワークビジネスで真の不労所得を得ている人も少なからず存在する。

ただこのブログを読んでくれたあなたがどんな境遇であれ(会員であれ非会員であれ)、上記に私が述べたことを大いに参考にし、今後の人生に活用して欲しいと思う。