先日、亡くなった父宛に届け物がありました。
送り主にも心当たりはなく、ちょっと不審に思いました。
レタパでしたので、記入してあった電話番号にかけてみました。
・・・そして、あ〜そう言うことか、と納得。
開けてみると丁寧な手紙も同封されていました。
父が通った高校の後輩の方でした。
母校の教員を長くされていたそうで、退職後は母校の校史のための史料集めを続けてこられてそうです。
その際に父にも広島の原爆のことなど、話を聞いていたようです。
録音してたものを文字に起こしてくださっていました。
コロナ禍で1年遅れました、と書かれていました。
120ページ以上もあります。
取りあえず父の話を書き起こしてくださった箇所だけ読みました。
残りは追々、読んでいくつもりです。
父が原爆当時、広島に居たと言うことは知っていましたが、その時の様子を聞いたことは一度もありません。
話したくないと言っていたと思います。
文章の中にも「身体も心も傷ついた人間だから皆様方にお話をするのは初めて」だと書かれてます。
そして、原爆後は「平和公園にも記念館にも資料館にも行ったことがない」と。
今の子供たちは平和学習として行くのが当たり前になっていますね。
何故、自分達が選ばれたのか、なんのために広島に行くことになったのかわからないと。
そして、市内電車に乗ろうとしたときにあの恐ろしいできごとがあったことが赤裸々に書かれていました。
幸いにも父は手の火傷だけで済んだようです。
もし、この時、父が命を落としていたら私はこの世に産まれてきていなかったことになります。
これから終戦記念日に向けて戦争のこと、原爆のことが話題として取りあげられることが多くなります。
父からは一言も聞くことはありませんでしたが、これからはきっとこの冊子に書かれていた父の話を思い出すと思います。
そして、父の声が聞こえてくるような気がします。