『鎌倉殿の13人』~後追いコラム その115
第32回 災いの種
今回は雑感を。
いやぁ~善児(梶原善)が一幡(相澤壮太)を殺めるのを躊躇しましたねぇ。でも最終的には殺めたんでしょうね。その場面は出てきませんでしたが・・・。アサシンが標的に情けをかけるとは・・・そろそろ善児も引退ですね。それにしても、義時(小栗旬)のダークサイドに落ちるスピードがものすごい(笑)
今話で頼家(金子大地)は謀殺されませんでしたね。次回第32回が『修禅寺』なので、次回は最期ですね。果たして、善児なのか、トウ(山本千尋)なのか。史料的には、頼家はかなり抵抗したようなので、もしかすると善児かトウがやられちゃうんじゃないかという気もします。
仁田忠常(ティモンディ高岸宏行)もこのドラマでのキャラ付けらしい最期でした。将軍頼家と主家である北条との間に挟まれ、その重圧に抗しきれずに自刃する。史実的には、一族が勘違いして北条に楯突いたのを知った忠常が、もはやこれまでと御所の義時を狙って戦い壮絶な最後を遂げるのですが。まぁ、高岸もBCリーグ栃木ブレーブスからプロを目指してるんで、頑張れとエールを送ります。8月20日の試合で1回を無失点に抑えたそうですが、132キロの直球じゃ、現巨人軍投手コーチ桑田真澄より遅いので、ちょっとプロは無理かな 笑。でも、笑顔が素敵な忠常でした。
全成(新納慎也)が死んでからの実衣(阿波局:宮澤エマ)は、今までの人をおちょくるようなキャラではなくなりましたね。脚本の三谷幸喜は、実衣が事のほかお気に入りで、出番を増やしているという噂まであります。実衣もあまり細かなことは史料的に分からない女性なので、脚本家の本能が刺激されたのかも知れません。
(この場面泣けましたねぇ)
比企尼(草笛光子)も亡霊として善哉(ぜんざい:長尾翼)の前に現れましたねぇ。比企尼は生没年不詳なので、これも比企の乱後は、脚本家としてはフリーハンドのキャラということになります。北条を絶対許すなと善哉に刷り込む比企尼は、鬼気迫るものがありましたね。義経(菅田将暉)の前に亡霊として現れた奥州藤原秀衡(田中泯)を思い出させるような場面でした。
(善哉に頼朝様にそっくりという場面にオーバーラップする場面)
以前書いたようにこの善哉は、三代将軍源実朝(峯岸煌桜:後に柿澤勇人)を暗殺することになるので、比企尼のこの刷り込みの場面がまた回想として出てくるかも知れません。私は個人的に実朝暗殺の黒幕は、三浦義村(山本耕史)と思っているのですが、公暁(善哉)の単独犯行という説もあるので、今後に含みを持たせた場面であったとも言えます。いずれにしても善哉について言えば、三浦義村(山本耕史)が、乳母夫であるということ、さらに頼家の正妻つつじ(北香那)との間の子供であるということが、何やら今後の展開の大きな鍵を握っているように思います。頼朝(大泉洋)も父義朝の三男であるにもかかわらず、母が正妻と言うことで源氏の嫡流となった前例があるので。順番から言えば、善哉が鎌倉殿となるのが普通なので・・・。
(千幡:後の実朝:峯岸煌桜)
(頼朝様にそっくりと比企尼に言われた善哉:長尾翼)
個人的願望ですが、これからも比奈(堀田真由)ちゃんが回想でたくさん出てきてほしい。今回、ナレ死しちゃったんで無理かな・・・泣。でも自分から言い出さなくても・・・。いくら鎌倉時代の女性の社会的地位が、江戸時代に比べて遥かに高かったと言っても・・・。申し出を「すまない!」だけで済ませるな!義時(怒)
(知ってはいても、この場面は辛い!)
もうワクワク感が止まりません。災いの種は頼家だけじゃないんです。今話の史料に基づく事柄に関しては、その116以降に書きます。