『鎌倉殿の十三人』〜後追いコラム その24 | nettyzeroのブログ

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『鎌倉殿の13人』~後追いコラム その24

第7回 敵か、あるいは

 

 「私が風を起こす。その隙に逃げられよ!」(何やら呪文)「今日は難しいようです。逃げましょう」

 

第7回「敵か、あるいは」で初登場した全成(新納慎也) 

 

頼朝の異母弟全成(新納慎也)初登場の場面。大爆笑!!

 

 あの場面がなぜ必要だったのかは不明。

 

 頼朝の挙兵を知った全成は、京都醍醐寺から抜け出し、頼朝の元に駆けつけた。『鏡』によると、全成は、石橋山の敗戦後、散り散りになって逃げていた佐々木定綱・盛綱・高綱らと山道で出会い、彼らが身を寄せていた渋谷庄司重国(配役不明:小田急線高座渋谷周辺を領した有力者)のもとに転がり込んだ。(八月二十六日条)

 

 今話で伊豆山権現に登場した全成。仁田忠常(高井宏行)が頼朝は安房にいると政子に告げているので、頼朝が安房に渡った8月29日以降ということになる。

 

 頼朝と全成が涙の対面を果たすのは10月1日、鷺宮(川崎市宮前区)でのこと。この間、約一ヶ月。渋谷館から伊豆山権現まで移動するのは可能だが、安房の頼朝から文を預かった仁田とどこかで偶然出会って、一緒に来るなどというのは、奇跡に近いと思われる。

 

 そして何の役にも立たないあの例の呪文。

 

 全成がいた醍醐寺は、真言密教の寺。真言密教は、現世利益(げんぜりやく)つまり死んだ来世でなく、この生きている現世に仏のご利益を得るという教え。さらに、護摩を焚いて何やら不思議な儀式をやるのが特徴なので、そこで20年修行した全成が何やら怪しげな呪文を唱えるのもなくはない。しかし、あの場面は別な展開への前振りではないかと思われる。

 

醍醐寺

                (醍醐寺五重塔(国宝))

 

 全成は後に政子の妹実衣(宮澤エマ:宮澤喜一元首相の孫娘)と結婚することになる。今話の不思議な出会いが、今後、二人を結びつけていく何かになるのではないかと・・・。

 

 彼女は三代将軍となる実朝(さねとも:柿澤勇人)の乳母。出た!乳母!このコラムをお読みの方はピン時たと思うが、乳母は親代わり、そして成人後も大きな影響力を持つ。これが二代将軍頼家とその乳母であり、御台の実家比企氏に悲劇をもたらす。

 

 頼家(金子大地)の乳母は比企能員(ひきよしかず:佐藤二朗)の妻道(堀内敬子)。そして、二人の娘若狭局(配役不明)が頼家の御台(妻)となる。将軍が代わり、北条に代わる権力者にのし上がる可能性の高い比企は、北条時政の標的となっていく。