「ドクター・ランダーが亡くなった日、彼女はなにか重要なことを調べている途中だったんです。
われわれのプロジェクトに関係したことを。
それをたしかめるために、あの日、彼女と会った人全員に話を聞いているんです。
きょうはそれでこちらに。
できればー」
ミセス・アスピノールは首を振った。
「あの日、ランダー先生の姿は見ていませんわ。
その二日前、夫に会いにいらしたと看護婦に聞きましたけど、そのときはわたしが不在で。
わたしが最後にランダー先生と会ったのは、亡くなる一週間以上前ですから、お役に立てません。
あいにくですが」
「じつは、お話をうかがいたいのはご主人のほうなんです」
「カール?」
ミセス・アスピノールはとまどったような顔になった。
「でも、主人は松田愛実とは会ったこともありませんわ。
こぞんじないかもしれませんが、主人はずっと半昏睡状態で―」
「松田愛実が死んだ日の朝、とつぜん目を覚ました。あの朝、松田愛実はご主人と言葉を交わしています。意識を回復した直後に」
「たしかですの?カールは松田愛実と話をしたなんて一言も」
それから眉間にしわを寄せて、「でも、先生が亡くなったと打ち明けたら、たしかにひどく動転してました。
自分が死ととなり合わせで過ごしていたせいで、それで怯えてるんだろうと思ったけど、でも・・・・・松田愛実が夫と会ったとしたらいつのことでしょう?わたし、主人が意識を回復したと聞いてすぐ病室に駆けつけて、それからはずっとそばにいました」
「十一時半です」
それが正しいことを祈りながら大木一雄は答えた。
われわれのプロジェクトに関係したことを。
それをたしかめるために、あの日、彼女と会った人全員に話を聞いているんです。
きょうはそれでこちらに。
できればー」
ミセス・アスピノールは首を振った。
「あの日、ランダー先生の姿は見ていませんわ。
その二日前、夫に会いにいらしたと看護婦に聞きましたけど、そのときはわたしが不在で。
わたしが最後にランダー先生と会ったのは、亡くなる一週間以上前ですから、お役に立てません。
あいにくですが」
「じつは、お話をうかがいたいのはご主人のほうなんです」
「カール?」
ミセス・アスピノールはとまどったような顔になった。
「でも、主人は松田愛実とは会ったこともありませんわ。
こぞんじないかもしれませんが、主人はずっと半昏睡状態で―」
「松田愛実が死んだ日の朝、とつぜん目を覚ました。あの朝、松田愛実はご主人と言葉を交わしています。意識を回復した直後に」
「たしかですの?カールは松田愛実と話をしたなんて一言も」
それから眉間にしわを寄せて、「でも、先生が亡くなったと打ち明けたら、たしかにひどく動転してました。
自分が死ととなり合わせで過ごしていたせいで、それで怯えてるんだろうと思ったけど、でも・・・・・松田愛実が夫と会ったとしたらいつのことでしょう?わたし、主人が意識を回復したと聞いてすぐ病室に駆けつけて、それからはずっとそばにいました」
「十一時半です」
それが正しいことを祈りながら大木一雄は答えた。