今年4歳を迎える3歳児の果林ちゃん。1歳のときから面倒を見ているので私にはすごく懐いている。
その果林ちゃんが今年に入ってから急に、理由なく人の頭を叩くようになってきた。脳天をペチペチするのである。大人は痛くないが、同年代だと痛くて泣いてしまう。痛くなくても驚いた子は先生にチクリに行く。
当然先生たちは教育的指導をするために果林ちゃんを叱る。だが、この年頃の幼児は叱られた理由を理解できずに、ただ泣くだけなので同じことを何度も繰り返す。もちろん理解できる子は叩くことをやめるので、叱って聞かせるという行為は有効だ。
果林ちゃんはまだ理解ができていないので、叩いては叱られるということを繰り返している。さすがに先生を叩くことはなくなったが、友だちや懐き過ぎている私にはペチペチしてくる。
以前から「痛いからやめな」「友だちにはするな」と言っているのだが効果はない。どうすればいいかと考え、私はある方法を考えた。頭を叩いてきたときに「パチンではなくナデナデしてごらん」と言ったのだ。そして、言われたとおりにナデナデしてきたときに、変な顔をしたり猫の鳴き声をするなどのリアクションを取ったのである。
大受けはしなかったがニコリとし、それからは叩くということをやめた。叩くよりも撫でた方が面白いということを理解したのである。ただし、ナデナデするたびに変顔をしてやると癖になるので、時々無視したりして徐々に回数を減らしていった。そしてついには叩くことをやめた。
子どもの悪癖を直すのは、言って聞かせるよりも、叱って泣かせるよりも、楽しませる方法が効果てきめんなのかなと思った。まぁ、教育的には正しくないんだろうけど…。