迫俊亮著「リーダーの現場力」 | フィリピンで働くシリアル・アントレプレナーの日記

迫俊亮著「リーダーの現場力」

ミスターミニット迫俊亮社長の「リーダーの現場力」、ずいぶん前に献本してもらっていたが、「どうせいい本なんだろうな」と想像し、なんだか悔しくて、しばらく放置していた。だが弊社スタッフにオススメされたので意を決して読んでみたところ、想像以上にいい本すぎて、やっぱり悔しかった。
(僕のように心が狭い奴を除き)全ての経営者にオススメの本。なかでも学生時代に「アタマがいい」と言われていたような方に特にオススメ。「アタマがいい」のは、経営者にとってメリットもデメリットもあると思うから。

 

 

以下、引用。

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戦略家たちに欠けているのは、一言で言えば「自分をズラす力」だ。彼らは多くの場合、「自分が正しいと思うことを相手も正しいとと思うとはかぎらない」「世の中にはいろんな考え方の人がいる」ということを頭では理解していても、腹には落ちていない。だから自分の考えを相手の考えのほうに「ズラす」ことができず、相手を自分のフィールドに引きずり込み、つい「論破」してしまう。
でも残念ながらそれは本当の意味での「優秀な人材」とは言えない。いくらロジカルシンキングが得意でも、エクセルやパワポづくりがうまくても、相手を動かせなければ戦略は実行できないからだ
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澤田さんの口からは、思ってもいない言葉が出た。それが冒頭の、「うーん、ウザい」だ。
「靴修理屋の社長じゃなくてさ、マッキンゼーのコンサルタントみたいなんだよね。きみの言っていることは、多分正しい。でもいくら正しくても、29歳の社長がいきなり頭の良さそうな正論を話してきたら、社員にとってはウザいだけだよね?誰もついてこない。むしろ敵だよ」
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はじめから自分がやりたいことを押しつけず、まずは、相手の希望を叶えるところから始めよう。大きな施策に手を出すのは、フォロワーができてからでいい。
「自分は何をしてほしいか」を伝える前に、「あなたは何をしてほしいのか」を問うのだ。
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C=当人の能力に合わせてフォローアップし(Capability)
A=適切かつ思い切った権限委譲を行い(Authority)
R=その責任を明確にしたうえで(Responsibility)
E=納得のいく評価とフィードバックが高頻度でなされること(Evaluation)
権限委譲でつまずくパターンは、ふたつある。
ひとつが、口では「任せる」と言って結局は口、最終的には手まで出してしまうマイクロマネジメントパターン。もうひとつが反対に、任命だけして放置し、社員が潰れてしまう丸投げパターンだ。前者は「CARE」のなかでもとくに「A」「R」を意識して権限委譲を行い、どこかで思い切って手を離すしかない。そして後者を防ぐためには、全面的に「CARE」が必要だ。