社長は「お客さんの代理人」 | フィリピンで働くシリアル・アントレプレナーの日記

社長は「お客さんの代理人」

社長の最も重要な仕事は、会社の将来像を描くことだと言われる。
そして、レアジョブはベンチャー。
ベンチャーの定義は、会社が小さいことでも若いことでもなく、
大きな成長を続けることだ。

ひらたく言えば、売上を大きく伸ばし続けること。
ぼくの責務はここに尽きる。

従業員に成長の機会を与えるためにも、
サービスを進化させより大きな満足を提供するためにも、
売上の伸びは欠かせない。

・・・ って、これまで、考えていた。
でも今日、この本を読んだ。


投資家がお金よりも大切にしていること 」 (藤野英人著)

日本人1000万人が英語を話す、そんな日をつくる日記-投資家がお金よりも大切にしていること


先日、IT企業・サイバーエージェントの社長である藤田晋さんとお会いして、二時間半くらい議論をしました。そこで感じたのは、藤田さんというのはものすごく真面目な方だということです。
社長とはどういう仕事かと尋ねたとき、彼は即答しました。
「お客さんの代理人です」
彼の頭の中にある「社長」のイメージは、一般的なピラミッド型組織の頂点ではなく、むしろ、逆さにしたピラミッドのボトムだと言います。
もちろん、組織の形態としては、企業のトップとして藤田社長がいるわけですが、役割としては、お客さんの立場から会社に向き合っていく。
どうしても、商品やサービスを提供する側の立場となると、知らず知らずのうちに、お客さん目線から供給者目線になってしまいます。売りたいし、成果を出したいし、ある意味それは当然でしょう。
藤田さんが言っていたのは、供給者目線ではなくお客さん目線で大号令するのは、強い権力を持っているからこそできる社長の役割である、ということです。
お客さんの求めているものから乖離しがちな組織を止めることはトップマネジメントの重要な仕事である、とも言っていました。
アップルの故スティーブ・ジョブズが、まさにそういうタイプの社長だったと思います。彼は、自社の商品やサービスを、企業のトップの視点というより、お客さんの代表としての視点から見ていました。
彼はユーザーに「最高のもの」を届けることだけを考えていたんですね。社内事情的にいろいろ問題があったとしても、それはお客さんからしたら無関係なので、いとも簡単に無視していたそうです。
じつに横暴ですし、一緒に働く人間からしたら最悪でしょうが、ジョブズは本当に真面目だったんだと思います。




これを読んで、肩の力がふっと抜けた気がした。

「売上○兆円、利益○百億円を目指します」と掲げる経営者はたくさんいる。
僕もそうならなきゃと思っていたが、でも実際、そうはなれないでいた。

短期目標として売上や利益を掲げるのはいいのだけれど、
長期の目標で、売上や利益を掲げるのは、なんだかなじみにくかった。

でも、会社で掲げているミッション・ビジョン、
これは達成したいと思っている。

・Equal chances for everyone, everywhere
・日本人1000万人を英語が話せるようにする

「売上を成長させ続けよう」、そう思うと、なんだか肩に力が入る。
でも、
「1000万人を話せるようにしよう」
「そのために、みんながびっくりするようなサービスを投入しよう」
これだったら、素直にワクワクしながら取り組める。

そして、本当にいいサービスを提供できれば、お客様はついてくるし、
当然、売上も利益もついてくる。

お客さんに本当に必要とされるサービスを提供しさえすればいいんだと、
なんだかふっと気が楽になった。