マザーハウスさんの台湾事業責任者の迫さんとお話した | フィリピンで働くシリアル・アントレプレナーの日記

マザーハウスさんの台湾事業責任者の迫さんとお話した

友人の結婚式があり、台北に来た。
台湾に上陸するのは初めてで、色々と楽しかった。

なかでも、今日マザーハウスで台湾事業をやっている迫さんとお話したのが非常に面白かった。

(マザーハウス台北店
日本人1000万人が英語を話す、そんな日をつくる日記-motherhouse



台湾にマザーハウスさんが進出する際、
迫さんはいろいろな人にインタビューしたが、こう言われたという。
「日本と違い、台湾にはフェアトレードや途上国支援という概念がまだ薄い」
「マザーハウスの商品をストーリーで売ることはできず、商品力だけで売るしかない」

迫さんは実際にそうだと思い、いろいろ試してみたがなかなかうまくいかなかった。
それで、やっぱりストーリーで売ろうということにした。

すると、ちょうど社会的起業のようなニュースを探していた記者たちのニーズにかない、
いろいろメディアで取り上げてもらいやすくなったとのこと。

店で働く人を求人する際も、
他にはなかなか社会的起業という概念をもった会社がない。
だから、そういうことに興味がある学生がみんな来てくれる、とのこと。

社会にフェアトレード的な風潮がないからあきらめるんじゃなくて、
その風潮を作ってしまえばそこを独占できる、というわけで、
きわめてベンチャー的。

スティーブ・ジョブズは、
「これから伸びるトレンドに賭ける」 「トレンドが伸びるから、自社製品の売上も伸びる」
という決断をよくした。
例えば、iMacにフロッピーを載せず、代わりにCD-ROMとUSBポートを載せたように。
また、iPhoneにFlashを載せずにHTML5だけを載せたように。

それに近しいものを感じた。


日本人1000万人が英語を話す、そんな日をつくる日記-Motherhouse2






あとは、迫さんの経歴が面白かった。
迫さんは、副社長の山崎さんが正式入社したくらいのタイミングでマザーハウスにインターンとして入った。
そのあといったん三菱商事に入社したが、すぐにマザーハウスに戻った。
数人の会社の典型で、営業から出店管理、生産管理から経理などほぼすべての業務を担当。
経理では帳票入力から財務諸表の作成、資金繰りの管理までをやっていたという。
そういう経験を数年経た後、20代後半で台湾事業を任されたとのこと。

やっぱり、幅広く経験するのって、すごく大事だと思う。
事業責任者って、営業やマーケだけじゃなく、管理部門の知識も欠かせない。
何かに特に秀でているかよりも、
何か欠けているものがないかどうかが大きく問われる。

その意味で、マザーハウスさんが迫さんを台湾事業の責任者に選んだ理由がよくわかった。
・会社が数人のところから叩き上げている
・ひとつの部署だけでなく、幅広くわかる

マザーハウスさんはいい人材をしっかり育てているな、と思った。



その他、ここには書けないようなことも色々話した。
マザーハウスさんとうちは
日本と途上国の両方に会社があり、
20代で起業したという経緯は全く一緒。

業界は全く異なれど、抱えているマネジメント系の悩みは一緒。
ちょうどマザーハウスさんはうちよりも1,2年先輩の会社だから、
今うちが悩んでいることをマザーハウスさんは1,2年前に悩んでいたようで、
いろいろ勉強になったり共感したりすることが多かった。

というわけで、色々刺激を受けた一日で楽しかった。
明日は台湾での初結婚式。
楽しみです。



(追記: 上記台湾マーケティングについて、迫さんのブログにより詳しい話 があります)