優秀な人って、どんな人? | フィリピンで働くシリアル・アントレプレナーの日記

優秀な人って、どんな人?

会社を始めたばかりの頃、ブログにこう書いた。

ちっぽけな会社であっても、優秀な人しか入れたくない

あれから3年以上たったが、お陰さまで優秀なメンバーに恵まれていると思う。
そして、会社が成長していくためには、優秀な人たちをさらに集め続ける必要がある。

で、いろいろ考えていた。



優秀な人って、どんな人だろう?

最初は、一般的に優秀な人と、一般的に優秀でない人がいるものだと思っていた。
でも最近、それはちょっと違うことに気づいた。
どのように仕事をしている会社かとか、どんな人たちがいるか次第で、
その人が優秀かどうかは大きく変わる。

たぶん、別の例で話したほうがわかりやすいから、別の例で話す。



塩、コショウ、砂糖の中で、優秀な調味料はどれ?

もちろん、優秀な調味料なんて決められない。

・どんな料理をつくるか次第で答えは違う。
・どんな素材をつかうか次第で答えは違う。

料理は、素材・調味料のハーモニー。
すごい調味料が存在するわけではなく、
どういう場で、どういう素材とのハーモニーを奏でるか次第で、
優秀な調味料は違う。

これって、仕事でも一緒だと思う。
どういう人たちと、どのような結果のために、ハーモニーを奏でるのか?
これが見えていないと、どんな人が優秀なのかは決められない。



じゃあ、優秀な人って、どんな人?

会社のホームページを見たり、社員と会ったりしたときに、自分がビビッとくるかどうか。
それが一番わかりやすい指標だと思う。

「あなたの会社のハーモニーのために、私は必要なんです」
そう自分で強く思えるかどうかのほうが、自分がどう評価される以前に大事だと思う。

最近、会社が大きくなったぶん、応募者を集めるのがラクになった。
反面、面白くない面接も増えてきた。
 「御社の◯◯という理念に共感しました」 というやつ。

「それって明らかに、うちのホームページを昨晩暗記してきたよね?」 って回答がくるとつまらない。
そんなことを聞いたって、ぜんぜんうれしくない。
むしろ、 「◯◯はすごいいいけど、◯◯は違うと思う」 みたいなことを言ってもらえると、僕はぞくぞくする。
たとえ、結果として間違っている意見であったとしても。
その人のこだわりを知るのは楽しい。
その人の考え方を知るのは楽しい。
何よりも、勇気があり自分を偽らない人といるのは楽しい。



塩は塩、砂糖は砂糖であるべきだと思う

塩が、自分が塩辛いのを気に病んで、砂糖と混ざることにしました。
砂糖と塩のミックスです。
そのミックスは、誰に必要とされるでしょうか?

答えは、あたりまえだけど、誰も必要としない。
パンチのきいた塩や、本当に甘い砂糖ならば、スーパーで高値で売れる。
けど、砂糖・塩のミックスはつかいみちに困ってしまう。

本来塩の人が、砂糖の部分をアピールするとき、
僕は、「違うんだよな」って思う。
僕が知りたいのは、あなたが砂糖なのか塩なのかコショウなのかってことなんだよ って思う。
というか、あなたは塩のくせに砂糖として採用されてもいいの? って思う。



自分に合わない会社に受かるくらいなら、落ちたほうがマシだと思う。

人生の中で最も生産的なときに、大半の時間を過ごすのが、職場になる。
いちどきりの人生、自分が楽しいと思えない職場ですごしてもしょうがない。

僕はCEOで、会社でいうと料理人にあたるだろう。
僕は料理人だから、あなたという素材・あなたという調味料をつかって、
レアジョブという最高の料理をつくろうと思う。
もし僕がぜんざいをつくろうとしていたら、たぶんコショウはいらない。
でも、コショウとしてのあなたを否定しているわけではない。
あなたが活躍できる場がうちではなく、どこか他の会社だったというだけか、
僕が将来ステーキを焼くまでまってほしかったというだけだと思う。

だから、料理人としての僕の腕を信頼し、僕に吟味させてほしい。
面接の場でつまらない棒読みはやめて、
塩っ辛いとか、甘ったるいとか、そういう欠点・ドロドロしたものをさらけ出してほしい。
ぜんざいにひとつまみの塩を入れるみたいに、
あなたの欠点をいかした最高の料理をつくる自信が、僕にはある。