周りのひとに変化をもたらしたいとき 1 | フィリピンで働くシリアル・アントレプレナーの日記

周りのひとに変化をもたらしたいとき 1

企業を急成長させようと思ったら、人材の成長が大事。
とくに、うちみたいに、内部昇格だけで中堅以上の人材をまかなおうと思ったら余計にそう。
どれだけのスピードで会社が成長できるかは、
その会社のひとりひとりがどれだけのスピードで成長できるかで決まってくる。

だから、自分の身の周りにいる人を急角度で伸ばしていく必要がある。
でも、これがなかなかうまくいかない。

スキルレベルの話であれば、正直、そんなに難しい話ではない。
スキルってのは、目に見えやすく、覚えたときの効果が目に見えやすい。
スキルを伸ばしたいという意志さえあれば、放っておいても覚えてくれる。

むしろ難しいのは、考え方とか習慣とか意志とか、そのレベルから変える必要がある場合。
スキルを伸ばしてもらうときのボトルネックはほとんどここなのに、実際手をつけるのは非常に難しい。

そんなとき、周りのひとに変化をもたらすにはどうしたらよいか。
この点については、二つのやり方があると思う。
・近道・・・直接的なやり方
・遠回り・・・虎視眈々とタイミングを待つやり方

直接的なやり方というのは、次の3ステップから成る。
・問題点を明示する
・問題を解決するためにとるべき解決策を仮説として明示する
・仮説が正しいかどうか、議論する

いわば、事業上の課題を解くように、本人の課題を解いてしまうやり方だ。
相手が人間なぶん、よくも悪くも近道をしようというやり方でもある。
変化にオープンな人、精神的に強い人には、非常によく効く。
その場では不快感を引き起こすかもしれないが、
中長期的では意図を理解してくれ、すぐに伸びてくれ、関係性も強まる。

ただ、変化したくない段階の人、変化に必要な強さを持たない人には、
この直接的なやり方は効きづらい。
その人の成長に全く貢献しないどころか、その人との関係性を悪くしてしまう。
直接的なやり方がどんなにうまくなったとしても、効かない相手には効かない。
「余計なお世話」「意見の押し付け」にしか映らない。

じゃあどうするかというと、もう一つやり方がある。
虎視眈々とタイミングを待つというやり方だ。

タイミングを待つというのは、一見何もしないようにみえるが、実際は大きく違う。
何かが起きるのを待つ、明確な意志があるからだ。

その何かがなんなのか、どこからやってくるのかは、事前にはわからない。
むしろ、「それが効くの?」というような、全く関係のないできごとであることがほとんど。

例えば、経験上、次のような出来事がスタッフの力を大きく伸ばした。
・プライベートでやった~~でひどい目にあった
・~~について、同僚が最近すごい
・別な人から別な問題について、コメント~~をもらった

相手にどんな出来事が効くのかは、起こってみないとわからない。
大事なのは、起こったときに、その出来事が本人にもつ意味合いを見逃さないこと。
見逃さずに、出来事の直後に話しかけること。
そうすると、意外なほどあっけなく物事が前に進む。

・正直な気持ちをさらけだしてくれる
・問題が問題であるという認識を持ってくれる
・変わろうという意志を持ってくれる

通常、タイミングは一瞬。
気持ちが盛り上がった瞬間を逃すとうまくいかない。
出来事がもつ意味合いを本人といっしょに確認し、そして変化への同意に至る。
鉄は熱いうちに打てで、これができる人は人を伸ばす力が強い。。

だから、直接的・近道なやり方と並行して、このやり方も覚える必要がある。