国債バブル | フィリピンで働くシリアル・アントレプレナーの日記

国債バブル

櫻川昌哉著「経済を動かす単純な論理 」が面白かった。

得られた示唆は次の通り。

・本来それほど価値がないのに、高い値段がついているものは、全てバブルである。例えば、
.   ・80年代末の日本の土地
.   ・最近までのアメリカの住宅価格
.   ・いったん高騰した原油価格
.   ・最近の日本の国債
.   ・全ての紙幣 などなど

・バブルは、お金が余っていることが原因である。だから、ターゲットを変えて移転する。例えば、
.   ・IT株 → 証券化商品 (アメリカ)
.   ・土地 → 国債 (日本)

・バブル=悪、いずれ破たんするもの、ではない。GDPの5.0~5.7倍の規模のバブルは維持可能で、現に、日本やアメリカで安定的に維持され続けている。

・バブルかどうかは、実体経済とのかい離から見ることができる。例えば、次の二つの格差をみることができる
.   ・賃料推移(=実体経済)
.   ・地価推移(=バブルかも)
この格差をみると、日本の土地バブルは80年代末あたりに大きく破裂したのではなく、80年代末から約20年かけてぐずぐずと小さく破裂し続けてきて、最近落ち着きを示していることが分かる



つねづね、日本の 「国債残高のGDP比が、国際比較でみて異常に高い値を示していても、市場は財政破たんのシグナルを送っていない」 のは不思議だと思っていた。
それは、 「地価バブルの縮小によって生じたバブルの余力がうみだした」 とすると、なるほどなぁと思う。

で、国債バブルがいずれどのように崩壊するか、だが、著者は3つの仮説を挙げる。

●「高齢化に伴って貯蓄を取り崩す世代の増大は一国の貯蓄率の低下をもたらし、利子率を下落させるので、バブルの存在する経済の維持可能性を難しくする」

●「金融システムの整備は、金融システムの効率性の向上が資金需要を増加させ、ひいては金利を上昇させるので、国債の大量発行かにある財政を一気に破たんに追い込む危険性を持つ」

●国債の「購入者のほとんどが国内投資家」であるため、「バブルに慣れ切った経済が市場開放を進めたとき」


ここまでくると、抜き書いてはみたものの、ムツカしくてよくわからん。。。

まぁ、条件が整えば、次のようになっていく、ということだと思う。

国債暴落 → 国債の利子率増加 → 財政破たん → インフレ → 円の価値急落(1ドル150円とか、200円とか) → 中国の半分~4分の3くらいの経済規模になる


レアジョブは、日本の生徒様から徴収したレッスン料の大半をフィリピンの講師に支払うビジネスモデル。

「25分70ペソの英会話」よりも「25分129円~の英会話」の方が集客しやすいため、
為替リスクを負わざるを得ない。
いわば、僕自身の全財産を、円高ペソ安に一点がけしているようなもの。

だから、日本の円の価値が今後どうなるかには、非常に興味がある。