適切な大きさの問題 | フィリピンで働くシリアル・アントレプレナーの日記

適切な大きさの問題

ほぼ日刊イトイ新聞に、
尊敬する梅田さん・岩田さんの対談 が載っている。

一日に少しずつ公開されるので待ち遠しい。

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ぼくは、「Ruby」という
オープンソースのプログラムをつくった
まつもとゆきひろさんという人に
「オープンソースの秘密」について
うかがったことがあるんですけど、
彼がとても興味深いことを言ってたんです。
どういうことかというと、
彼にはまず、つくりたいものがあるんですね。
誰かのために、というのではなく、
「自分はこういうものがつくりたい」と思って
ひとりでダーッとつくっていく。
そうすると、自然に適切な大きさの
問題が生まれていくというんですね。
たとえば、自分のつくりたいことが、
この机いっぱいくらいの大きさだとすると、
「この机いっぱいの大きさのものをつくる」
と宣言してつくりはじめるんだけど、
人間ひとりのできることには限界があるから、
まあ、一部分だけしかできない、と。
そうすると、あいつが言ってたのに
できてないところがここにあるぞ、とか、
つくったというけど欠陥があるぞ、とか、
毎日毎日動きを続けていると、
適切な大きさの問題が
つぎからつぎに生まれるんだそうです。
で、それさえ生まれれば、
インターネット上にはそれを解決する人が現れる。
新聞にクロスワードパズルが載っていたら
それを解く人がいるように、
それをみんなが解いていくんだと。
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ベンチャーをやりながら、まさにその通りだなぁと思う。

昨年の立ち上げの段階では、さまざまな人にさまざまな形で
(当人とっては当たり前にできることだが、僕からしたら当たり前にできないことで)
助けてもらった。
そして今は、スタッフに適切な課題を与え、
それらを解いてもらうようにしている

人間には不思議な習性があり、
目の前に適切な大きさの問題があると、
それを解いてみたくなる
(だからパズル雑誌が売れる、みたいな)

だから僕は、
経営と言うのは、以下4つから成る行為なのかなと考えている。

・どういう問題が存在するのか(ビッグイシュー)の特定
・それらを各人が解決可能な段階まで分解(=スモールイシュー)
・スモールイシューを各人材に適切に配分
・スモールイシューを解いてくれる(解きたがる)人材の獲得

だから、「Aをやってください」という仕事のお願いの仕方をせず、
「aという課題(スモールイシュー)があるんだけれど、
 これを解くにはどうしたらいいかなぁ」 
というふうにお願いするようこころがけている。

まずはじっくり考えさせるので、
一見ぼくが具体的に指示をした方が早いように見えるが、
結局はこちらの方が早いことが多いのでは、と現在考えている。
(スピードとの兼ね合いで、まだ検証中な部分も大きいが)