「誰がやるの?」を解決する | フィリピンで働くシリアル・アントレプレナーの日記

「誰がやるの?」を解決する

最近よく読んでいる、(たいへん面白い)
インフィニティ・ベンチャーズ小林雅のBlog  に、
次のようにあった。

ベンチャー企業の場合、「ビジネスプラン」なるものを書けとアドバイスされたり、ベン チャーキャピタルから要求される。 ・・・ ビジネスプランは不要だとまではいわないが、 実際のところ、役に立っているのだろうか?

たとえば、 DeNAさんにしても最初はオークションビジネスであったが、現在はモバゲーを中心とするモバイル事業が主力になっている。 GREE に関してはもPCのSNSだったが、今となってモバイルのエンタメサービス&コミュニティとなっている。  両者の特徴は、当初のビジネスには DeNAさんはヤフーや楽天、GREEはミクシィといった強力なライバルが存在していたが、苦しみながら、強固な組織をつくり、 モバイル事業で飛躍した  という共通点がある。

モバイル事業という点を注目を集めるいるが、重要な点としては組織力の高さだ。 GREEの田中さんがよく話すことだが、 良いサービスをつくるに は良い会社・組織を作らなければいけないということを言う。 まさにDeNAやGREEはその点を実践してきた といってもよい。

・・・結局、サービスにしても、戦略にして、結局 誰がやるのか?という点がベンチャーにとっては重要だ。 リソースがないのがベンチャーであり、 まずはリソースとか組織とか、そちらから発想する必要がある。  

そうなんだよ、と思った。
「何をやるの?」 とか、「どうやるの?」 とかよりも、
「アイデアはいいんだけれどさ、誰がやるの?」 が、
ベンチャーにとって最大の問題だと思う。


明日、フィリピンにまた行ってくる。
前回フィリピンに行ったのが5月だから2か月ぶり。

前回フィリピンに行ったときに痛感したのは、
フィリピン側の組織が拡大しつつあるということ。
そして、フィリピン側に比べて、日本側の組織がまだまだ小さいこと。
それがゆえに、僕やパートナーの時間が足らず、
ビジネスの進化が遅くなっているということだった。

だから帰ってきたあとは、
「人事をまず最優先」 と掲げ、(心の中で)
毎日人事に関することをやってから他の仕事に取り組むようにした。
(これまで人の採用なんてやったことないから、
 こうでもしないとなかなか体が動いてくれない)

それで、うちに投資いただいたグローバルブレインさんのご支援や、
このブログを通じた応募などもあり、
おかげさまで、現在日本でも組織は拡大し、
社内・外で10人体制となった。

だから、今回フィリピンにいくときには、
前回日本にパートナーを一人置いて成田空港に向かったときにあった心細さみたいなのがない

それはとてもうれしい (皆様、ありがとうございます)

で、フィリピン行きの最大の目的は、向こうの組織のさらなる拡大。
講師採用のほうではなく、事務局側のほうを採用し、
強力な組織にしていく。

というのも、日本側を拡充して、
いろいろな仕事はやってもらってできているが、
僕がそれを最後までチェックしきれない、という事態になっている。
僕が仕事全体のボトルネックになっているわけで、
なんでかというと、僕やパートナーが
本来フィリピンの事務局側に任せてもよいはずの仕事までやっているから、
こういう状態になっているのである。

だから、向こうを拡充してくる。

こうやって組織を拡充する、というのは、
消費者側(うちの場合は生徒様)からすると全く見えないわけで、
「最近サービスが何も進歩していないじゃないか、何をやっているんだ」
的な話になる。

(いや、さすがにそういう突っ込みをメールなどでいただいたわけじゃないけれど、
 以前から抱えている問題を解決できないでいるな、と気づくのは
 経営者として非常に心苦しい )

事業のスケールに関する問題は、
管理者画面機能の強化・最適化とかを通じて改善してきているが、
生徒様ひとりひとりが受けうるサービスの状態は、まったく変わっていない。

悶々と「3か月前と今で何も違わないじゃないか、何やっているんだよ」と思うが、
「いやでも、現在の努力が『誰がやるの?』っていう問題点を解決しているんだよ」
と考えて自分をなぐさめている。

まぁでも、タネはいろいろ仕込んであるわけで、
これが今月末からまた少しずつ芽を出していき、
生徒様によりよいサービスが提供できるようになると思う。