ベンチャーにおける、固変分解 → 損益分岐点分析 | フィリピンで働くシリアル・アントレプレナーの日記

ベンチャーにおける、固変分解 → 損益分岐点分析

費用には大きく二つあって、
・固定費
・変動費

売上と一緒に伸びていく費用が変動費で、
材料費とかがこれに相当する。

売上が伸びても一緒には伸びていかないのが固定費で、
本社の家賃とか社長の給料とかが相当する。

もちろん全ての費用がきれいに分けられるわけではないが、
大体で分けておくと、
事業を分析しやすくなる。

例えば、固変分解→損益分岐点分析っていう分析がある。
1) 全ての費用を固定費・変動費に振り分けておく。
2) 売上がn倍に伸びたと仮定する
3) そうして、固定費は同じ、変動費は×n倍する
4) 2)から3)をひいて利益を求める
5) n倍のnを少しずつ変えていって、4)利益の出具合の変化を見る

つまり、利益を出そう・伸ばそうとしたときに、
売上を伸ばすことがどれくらい意味があるのか、
売上を伸ばすことよりもコストを減らすことに注力した方がよいのか、
分析ができることになる。

いちおう財務会計のゼミ出身なので、
ここらへんの知識はあった。

で、戦略コンサル時代、様々な分析はやったが、
固変分解だけはやったことがなかった。
(言葉だけはちょくちょく耳にしていたけれど)
それは恐らくプロジェクトのめぐり合わせと自分のポジションによるものだろうけれど、
それほど重要な分析手法でもないのかな、位の認識でいた。

で、本題 (前置きが長くなった)。

起業してみて思ったのが、ベンチャーにとって、
固変分解→損益分岐点がイノチだってこと。

上に書いたとおり、固変分解する意味ってのは、
「売上がn倍に伸びたと仮定する」ことができるってこと。

通常の大企業は、成熟市場にいるため、
「売上がn倍に伸びたと仮定する」というシチュエーションがない。
(急速に発展している市場における商品単体の収益性くらいかな、あるとしたら。)

だから、固変分解する意味がない。

でも、ベンチャーは現在の売上を10倍、100倍にしてこそベンチャーである。
(スケールする事業をやってこそベンチャー)

だから、ベンチャー企業を定量的に分析するときには、
固変分解→損益分岐点分析
がものすごく大事になってくる。

ということをここ1,2週間で感じている。